2012 Fiscal Year Annual Research Report
密度依存型の拡散項をもつ2種競争系の解構造に関する研究
Project/Area Number |
22540138
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
観音 幸雄 愛媛大学, 教育学部, 教授 (00177776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 重則 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (10253296)
門脇 光輝 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (70300548)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 2種競争系 / 定常解の解構造 / 比較定理 |
Research Abstract |
本研究では,競争関係にある2種の個体群密度の動態を記述する密度依存型の拡散項をもつ反応拡散方程式系(2種競争系)に対して,生物の住処をある球の内部とし,求める解を球対称な正値解に制限した最も単純な場合について,数学的な手法と数値解析的な手法を相互補完的に用い,住処の次元や拡散係数をパラメータとしたときの正値定常解の大域的な解構造を調べることを目的としている. 本年度は,昨年度の研究を引き継いで,拡散係数が極めて零に近い場合における正値定常解の解構造を調べることにした.このとき,考察対象とした正値定常解は変数変換により球の半径を無限大とした全域解と考えることができる.住処の次元を意味する変数を任意の実数値を取りうるパラメータと見なし,全域解がみたす微分方程式系を解析することにより,パラメータに関する正値解の解構造が単純であることが分かった. 比を保ちながら種間競争係数を大きくしていくと,2種競争系はある変数変換により線形な拡散項をもつ反応拡散方程式系(縮約された系)となるが,その系については一般に解の有界が保証できなくなる.実際に定常解の解構造を数値的に調べると,拡散係数をある値に近づけたとき,定常解が非常に大きくなることが確かめられる.縮約された系の解構造については,いくつかの性質は得られたが,解構造を決定するのための十分な結果を得ることができていない.2種競争系の大域的な解構造を理解する上で,縮約された系は重要であると思われるので,今後も継続的に縮約された系の研究を進めていきたい. これまでに本研究課題で得られた成果は部分的に学会や研究集会などで発表してきているが,得られた成果を整理し,論文として発表することを今後の課題としたい.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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