2010 Fiscal Year Annual Research Report
多次元レヴィ過程モデルに基づくリスクと価値の評価法の構築とその応用
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22540148
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
宮原 孝夫 名古屋市立大学, 大学院・経済学研究科, 名誉教授 (20106256)
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Keywords | 多次元レヴィ過程 / リスク尺度 / 価値尺度 / ポートフォリオの評価 / リアルオプションの評価 |
Research Abstract |
本研究の目的は、数理ファイナンス理論に関連して、多次元レヴィ過程モデルを使って非完備市場または無裁定条件の成立していない市場における信用リスクやポートフォリオの価値などの評価法を確立することである。無裁定条件の成立を前提としない場合には、数理ファイナンスの理論で標準的になっている裁定理論を適用することはできず新しい価値評価法を導入することが必要である。 本研究に先立つ昨年までの研究の成果として、裁定理論によらない価値尺度の候補として「リスク鋭感的価値尺度(Risk-sensitive value measure)」が有力であることが示されていたが、今年度にはこの「リスク鋭感的価値尺度」が価値評価のための非常に優れた尺度であることの論拠をより明確にすることができた。この成果はJ. Real options and Strategy, Vol.3(2010)に掲載された論文にまとめられている。 さらにこの価値尺度の適用法についても検討し、リスク鋭感的価値尺度の中に含まれているリスク感応度を表わすパラメーターを推定する方法を導出し、途中経過の報告という意味で、ディスカッションペイパーの形にまとめた。この方法により、リスク鋭感的価値尺度を現実の具体的な問題に適用できる可能性が非常に高まったと言える。この方法の有効性は今後検証して行くことになる。 また、信用リスクの評価への応用およびポートフォリオの価値評価への応用についても、応用法の基本的な構想が得られた。従って、来年度以降にこれらの構想を実現して行くことが可能な段階に達したと言える。
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