2011 Fiscal Year Annual Research Report
数値表データ圧縮および数値群データ圧縮問題における非線形近似論的方法
Project/Area Number |
22540151
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
明石 重男 東京理科大学, 理工学部, 教授 (30202518)
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Keywords | Hilberの第13問題 / 数値表データ / 数値群データ / 多変数関数 / 形状認識 |
Research Abstract |
一般に3次元形状の内部外部判定にはレイトレーシングと呼ばれる方法、すなわち「内部外部判定の対象となる点が立体と交差する直線を描いて求められる直線と立体の交差回数を利用する方法」が知られている。しかし有限要素法などに例を見るように「立体を細かくメッシュ化したものとして認識する場合、メッシュ化された個々の構成成分に対する直線の交差状況を調べることが必要となり、膨大な量の連立方程式を解くことが要求される。本年度の研究では、以下に示す方法を提案して、このような問題の解決を試みた。 与えられた3次元立体をMとして、{ΔAnBnCn;n=1,...,N}をMの表面Sを構成する十分細かく小さい3角形の集合とする。なお、点Anと点Bnと点Cnの入寮順番に関しては、ベクトルAnBnとベクトルAnCnとから計算される外積ベクトルが、Mの外部に向かうように入力されているものとする。今、内部外部判定の対象となる点の集合としての平面をPが与えられた時、Pによって2分割される半空間をそれぞれH1とH2とする。Pが原点を含むと仮定して一般性を失わないため、原点を始点としH1内部に終点を持つ単位ベクトルを、それぞれv1とv2とし、Sを構成する小三角形ΔAnBnCnの平面Pへの距離射影点をΔA'nB'nC'nとする。ここで、平面P上で定義される関数f_P(・)を以下のように定義する。次の判定条件を用いる。 (1).内部外部判定アルゴリズムについて (1).n=0として、P上の全ての点pに対して、f(p)=0と初期設定する。 (2).nをn+1とする。 (2-1).三角形(An,Bn,Cn)が、H1に属する場合 「ベクトルAnBnとベクトルAnCnの外積」とv1との内積>0ならば、ΔA'nB'nC'nの領域にある各点での値に1を加算する。 「ベクトルAnBnとベクトルAnCnの外積」とv1との内積<0ならば、ΔA'nB'nC'nの領域にある各点での値に-1を加算する。 (2-2).三角形(An,Bn,Cn)が、H2に属する場合 「ベクトルAnBnとベクトルAnCnの外積」とv2との内積>0ならば、ΔA'nB'nC'nの領域にある各点での値に-1を加算する。 「ベクトルAnBnとベクトルAnCnの外積」とv2との内積<0ならば、ΔA'nB'nC'nの領域にある各点での値に1を加算する。 (3).n<Nならば、(2)へ戻る。n=Nならば終了する。 (2).判定条件について ∪{ΔA'nB'nC'n;n=1,...,N)は、立体Mを平面P上へ射影することにより得られる像であることに注意する。このとき、 上記アルゴリズムを経て構成された、平面P上の関数f_P(・)に関して、次のような関係式が成立する。 (5).∪{ΔA'nB'nC'n;n=1,....,N)に含まれる点pに対して、「f_P(p)=2ならばMの内部」と判定し「f_P(p)=0ならばMの外部」と判定
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(1).非線形形状認識に関する特許申請が、平成19年の特許出願から最短年月の4年間を経て採択されたため。 (2).2次元複雑形状を有する図形の内部外部判定方法では、複素関数論におけるCauchyの積分定理が本質的役割を果たしていた。しかしこの手法は、複素数を幾何学的に表示する数学的道具としてGauss平面を用いるという理由で、3次元空間への拡張は不可能であった。今回、ベクトル解析における面積分と立体角の概念を応用することにより、3次元複雑形状を有する立体の内部外部判定の可能性が見いだされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
(推進方策) (1).2次元複雑形状図形認識方法を3次元複雑形状立体認識方法に応用する場合、従来は、対象となる3次元立体をスライスすることにより得られる2次元図形の配列として認識していた。しかし従来のこの方法は、3次元立体の形状を表すデータを入力する場合に非常な制限を伴うものであった。今回の方法では、3次元立体の形状を表すデータを入力する場合に、「スライスされた2次元図形の配列形式」を採用しなくても良い可能性が生じたので、この点を推進していきたい。(2).2次元図形と3次元立体とでは、形状認識に伴う計算量が大幅に異なることが想定される。したがって、効率的計算方法を研究することが重要となる。
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Research Products
(3 results)