2013 Fiscal Year Annual Research Report
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22540155
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Research Institution | Yokkaichi University |
Principal Investigator |
小川 束 四日市大学, 環境情報学部, 教授 (90204081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 光生 四日市大学, 付置研究所, 研究員 (80053677)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 日本数学史 / 建部賢弘 / 関孝和 / 国際研究者交流(中国,韓国) |
Research Abstract |
(1)建部賢弘らによる『大成算経』全二十巻の研究.これまで集中的に研究されてこなかった『大成算経』について,分担者の森本光生とともに本年度も「数学史名古屋セミナー」を主催し,巻二,巻十六から二十について講読,研究を進めた.特に巻之二について現代語訳・注釈・原文をまとめることができた.これはおよそ100ページに及ぶものとなったから,完成すれば全体では2000ページの大著となろう. (2)至誠賛化流など巷間の数学流派の研究.至誠賛化流の数学は『淇澳集』,『続淇澳集』,『増続淇澳集』(順に東北大学岡本写0864ー0866)として史料が通時的にまとまっており,流派の数学の全体像を把握するのに格好の研究材料である.今年度は昨年度に続き,門人の問題の解析を進めた. (3)史料の編纂,現代語訳,英訳.関孝和の著作集の編纂(読み下し,校合)を月に一回程度編集会議を開催して進めた.『発微算法』の英訳は森本光生とともに第6問まで進めた. (4)研究集会,セミナーへ参加,開催.京都大学数理解析研究所研究集会を研究代表者として開催した.今年度は昨年度の中国特集に続いて,韓国特集として森本光生とともに中国から郭世栄(内蒙古師範大学),韓国からHong Sungsa(洪性士,Sogang University),Kim Young Wook(金英郁,Korea University),Lee Sang-Gu(李相龜,Sung-KyunKwan University)先生を招聘して,17世紀から20世紀の韓国数学史について講演をしていただき,交流を進めた.報告集は準備中である.京都セミナーでは本年度はデカルトを中心に講読を進めた. (5)"The Oxford Handbook of the History of Mathematics"中のA.Volkovによる論文'Mathematics and mathematics education in traditional Vietnam'を翻訳する機会に恵まれた(共立出版より2014年刊行予定)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)近世日本数学書の現代語訳の試みはこれまでにもあったが,語義にまで遡り精密な現代語訳の試みはこれまで皆無といってもよかった.それだけに建部賢弘らによる『大成算経』全二十巻の現代語訳の作業は(意外にも)困難な作業であり,今年度第二巻についてまとめることができたのは成果であった. (2)至誠賛化流の門人による問題集『淇澳集』,『続淇澳集』,『増続淇澳集』の問題の解析は,ひとまとまりのもとして,まとめるには至らなかったが,比較的少ない基礎知識にのみ基づいて門人が定型的な問題の出題,解答をして,鑑賞をしていたことは十分に伺えた. (3)関孝和の著作集の編纂(読み下し,校合)を月に一回程度編集会議を開催して進めた.『発微算法』の英訳は森本光生とともに第6問まで進めた. (4)研究代表者として開催した京都大学数理解析研究所研究集会は国際研究者交流として位置づけられ,とくに韓国数学史に関する知見が得られたのは成果であった.韓国数学史に関して中国,韓国の研究者と交流する機会はこれまで格段なかったように思う.京都セミナーではClaviusの"Epitome arithmeticae paracticae" と『同文算指』との比較対照研究は一応の終結として,報告集を準備中である.なお,本年度はデカルトを中心に講読を進めた.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)数学史名古屋セミナーを月一回のペースで開催し,『大成算経』全二十巻の研究,現代語訳を進めたい.この仕事は今次科研費の期間を超えての研究活動を要する. (2)近世の人々の文化としての数学活動を至誠賛化流を例にとらえるために,門人による問題の解析を引き続き継続する. (3)関孝和の著作集の編纂(読み下し,校合),および『発微算法』の英訳を進めたい. (4)2014年は『大成算経』の著者の一人で関孝和の高弟,建部賢弘の生誕350年であり,8月25日~30日の一週間,韓国で開催される国際数学者会議ICMのサテライト会議として御茶の水女子大学で国際研究集会Takbe Conference 2014を開催する.international/domestic organizing committeeの一員,またproceedingsのeditorとしてconference開催前,開催中,終了後も努力を要するが,これまで常に私の中心的課題の一つであった建部賢弘の数学とその周辺に関する研究の一旦の総括ができると期待をしている.また,来年3月には東アジア数学史国際研究集会(第II期第3回)International Symposium for the History of Mathematics of East Asia II-3(ISHMEA II-2)をchairとして開催することになっており,研究に加えて国際会議の運営にも努力を要する一年となろう.
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] 至誠賛化流の数学2014
Author(s)
小川束
Organizer
東アジア数学史国際研究集会(第II期第2回)
Place of Presentation
京都大学人文科学研究所
Year and Date
20140309-20140309
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