2010 Fiscal Year Annual Research Report
多重フーリエ級数の収束問題と解析的整数論における重み付き格子点問題の接点について
Project/Area Number |
22540166
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
倉坪 茂彦 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50003512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 英一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60259900)
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Keywords | 多重フーリエ級数 / 点毎収束 / 重み付き格子点問題 / Gibbs-Wilbraham現象 / 曲線の長さ / Szegoの方法 / Pinsky現象 |
Research Abstract |
「多重フーリエ級数の収束問題と解析的整数論における重み付き格子点問題の接点について」の研究を進めるため、フーリエ級数の関連する研究を再検討し、格子点問題の視点を加味することによって新しい結果を得るという我々のテーマに沿った方向で下記の結果が得られた。 1.1変数のフーリエ級数論における有界変動関数のフーリエ係数と関数のジャンプの2乗和との関係を表す有名なN.Wienerの定理がある。我々は関数のジャンプの大きさ(絶対値)の総和tとの関係を表す定理を発見した。この研究はフーリエ級数の部分和と曲線の長さとの関係の視点からも説明ができ、Gibbs-Wilbraham現象のもう一つの説明と位置づけられる。 2.ポテンシャルと関連のある特殊な多重フーリエ級数について研究を進めた。これらの級数に関してノルム収束以上に点毎収束について既知のことがらは多くないが、S.BochnerやE.M.Steinらの先行する研究を、「殆どすべての点で成り立つ」という命題から「全て点で成り立つ」という形に改良できた。この研究では、1926年にSzegoが解析的整数論の1分野である格子点問題で用いた方法を重みをかけた場合に拡張し、その結果を本質的に使うことにより可能となった。 3.1993年に発見されたPinsky現象、すなわち原点の付近で滑らかであっても、原点から離れた不連続点の影響が原点におけるフーリエ級数の変動に大きな影響を与える現象は、3次元以上のとき証明されているが、2次元でも起きることが証明できた。
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Research Products
(4 results)