2011 Fiscal Year Annual Research Report
幾何学的および解析的モノドロミーと局所ゼータ関数の研究
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22540172
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹内 潔 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (70281160)
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Keywords | D-カロ群 / 代数解析 / 特異点理論 / モノドロミー / 超幾何関数 |
Research Abstract |
多項式写像の無限遠点におけるモノドロミーについては、混合Hodge加群とモチーフ積分の理論を用いることで、そのジョルダン標準型を多項式のニュートン多面体を用いて表示する公式を得ることに成功した。既存の理論では、その固有値(ジョルダン標準型の対角成分)しか求めることができなかったので、これは大きな前進である。なお副産物として、局所モノドロミーの場合にSteenbrink予想として有名だったHodgeスペクトラムについての結果の大域版が得られた。また局所的なモノドロミーについても、同じ方法でほとんどの場合にジョルダン標準型を完全に計算できるようになった。さらにこれらの結果を、完全交叉代数多様体上の多項式のモノドロミーの場合にも拡張することに成功し、多くの結果が並行して成り立つことを示した。現在は、無限遠点におけるモノドロミーの研究において常に仮定してきた「無限遠点において従順」という多項式の条件を外すことにほぼ成功しつつある。また多変数の超幾何関数の研究においては、Adolphsonにより導入された合流型の(不確定特異点を持つ)A-超幾何関数の積分表示の公式を証明し、Gelfandらの結果を一般化した。これはBessel関数やAiry関数などの古典的な合流型超幾何関数の積分表示式を自然に多変数化したものになっている。さらに積分路を具体的に構成することにより、合流型のA-超幾何関数の無限遠点における漸近展開も非常に精密に求めることに成功した。現在は、そのモノドロミーやストークス係数への応用が得られつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
局所ゼータ関数の研究も遅れているが、それ以外の幾何学的モノドロミーや不確定特異点さをもつA-超幾何関数の研究は大きく進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究課題の1つである局所ゼータ関数についても力をいれて研究していきたい。それ以外の課題について得られた成果の発表のための論文の執筆を早く終らせることにより時間をつくりたい。
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Research Products
(4 results)