2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540181
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤解 和也 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (30260558)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | トロピカル・ネバンリンナ理論 / 超離散方程式 / max-plus 代数 / 有理型函数 / ネバンリンナ理論 / 正則曲線 / 値分布論 / 差分方程式 |
Research Abstract |
東フィンランド大学のI. Laine 教授とR. Korhonen 教授とトロピカル・ネバンリンナ理論に関する研究で成果を挙げた。Laine教授とは、共著論文であるトロピカル・ネバンリンナ理論と超離散方程式に関する研究結果をより理解しやすい形に改良する試みを行い、その成果についてNEEDS2012で招待講演を行った。またKorhonen教授とは、R. Halburd教授との3人の共同研究成果である複素射影空間への正則曲線に関するH. Cartanの理論の差分版に対応する理論を、max-plus代数上の射影空間への区分的線型な連続関数のなす系に関する値分布理論としてほぼ満足できる形で移植した。これらの共同研究を通して、複素解析学における特に整函数に関する基本定理の多くが、超離散化を経た同様な手法で実一変数区分的線型な連続関数に対する主張として示すことができた。さらには、連携研究者の石崎克也氏との共同研究である整函数のTaylor係数列と増大度に関する評価が、トロピカル整関数のmax-plusの意味での無限級数表示に現れる係数列と関数の増大度の関係にそのままの形で移植できることを発見し、論文に纏めている。そこで得た評価式を用いれば、楕円函数の超離散化や超離散パンルベ方程式u-PIII等に対して発見されている超離散化された超幾何級数解がいずれも位数2を持つことが示されるなど、複素函数に対する既知の結果との良い対応を見出せる。これにより、複素解析的結果や手法の単なる移植に留まらない何か本質的な対応関係が存在する可能性の証拠の一端が得られたと考え、今後の研究について大きな勇気づけを得た。紆余曲折を経て、本研究では複素解析とその超離散化との自然な親和性を実感した。これらを論文或いは図書に可視化する作業は次年度からになるが、その多くの重要な知見が本年度の研究実績と言えることを強調したい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)