2014 Fiscal Year Annual Research Report
偏微分方程式論における解の一意接続問題と複素位相法
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22540185
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大鍛治 隆司 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20160426)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 解析学 / 解析・評価 / 関数方程式論 / 数理物理学 / 函数解析 / ディラック作用素 |
Outline of Annual Research Achievements |
非負な質量(mass)mを持つ自由粒子に対するディラック作用素α・p+mβのスペクトルは (-∞,-m]∪[m,∞)と一致し、この作用素に無限遠で減衰するポテンシャルV(x)を付け加えたα・p+mβ+Vに対する本質的スペクトルが(-∞,-m]∪[m,∞)となることはよく知られている。この境界点mと-m(閾値という)が固有値であるかどうかは物質の安定性と深い関連がある重要な未解決問題である。 研究代表者大鍛治隆司はこのスペクトルの閾値問題に関する考察をHubert Kalf氏ならびに山田修宣氏と共同で行い、massless(m=0)のみならずmassive(m>0)の場合の両方についてそれぞれzero modesの非存在と±mが固有値でないためのポテンシャルに対するある精密な十分条件を得た。これらの条件はポテンシャルが遠方でゆっくり減衰するある自然なクラスを定めており、結果としてmassiveの場合のクラスの方がmasslessの場合のクラスより広いことがわかる。証明には重み付き複素位相エネルギー法を繰り返し用いて示される。その際、最初の段階で未知関数に重みをつける変換を行う為、変換された後の方程式はもはや自己共役ではなく複素ポテンシャルを含む方程式になっていることに注意する。そのためこの複素ポテンシャルを含む項がコントロール可能であることを示すことが最重要であるが、それには一連の精密な解析・評価を経て解決される点を強調しておきたい。さらに、これらのクラスはそれぞれ最良であることも付随する常微分方程式の解の漸近挙動を解析することにより明らかにしている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)