2010 Fiscal Year Annual Research Report
リーマン面の正則写像の研究--写像の存在問題における把手の役割
Project/Area Number |
22540196
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
増本 誠 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50173761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 雅和 広島大学, 大学院・工学研究科, 名誉教授 (70025469)
山田 陽 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60126331)
柳原 宏 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30200538)
幡谷 泰史 山口大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (20294621)
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Keywords | リーマン面 / 正則写像 / 等角写像 / 穴あきトーラス |
Research Abstract |
穴あきトーラス(種数1,境界成分数1の開リーマン面)と標準ホモロジー基の組全体の空間Tは,等角同値なものを同一視すれば,境界付き3次元実解析的多様体をなす。Tの元τからTの元σの中への等角写像(単射正則写像)が存在するとき,τよりもσが大きいと定めることによりTは順序集合になる。この順序に関する極大元はTの境界を構成するが,それらのうち,τの上界になっているもの全体をM(τ)と表すと,「τよりもσが大きい」という大小関係が「M(τ)がM(σ)を含む」という包含関係で置き換えられることを見いだした。この事実は,以前に得られていた結果の簡単な帰結であるが,Tの順序がある種の再帰性を持つことを意味していて興味深い。Tの順序は全順序ではないものの穴あきトーラスの大きさを比べる一つの物差しを与えるものと解釈することができる。穴あきトーラスはリーマン面の把手の構成要素であるので,この物差しを用いて一般のリーマン面の把手の大きさを測ることを試みた。この他に,柴は,幡谷と共同で,リーマン面の接続や等角写像に随伴して現れる面積関数が非定数粘性率の場合の一般Poiseuille流れの例を与えることを詳しく示し,その更なる一般化について調べた。幡谷はまた非圧縮粘性流体の自由境界値問題の研究においてスペクトル解析と解析的摂動論を適用した。さらに,山田は,再生核空間のノルム不等式に関して斉藤の不等式の初等的証明やOppenheimの不等式の等号問題の研究をした。
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Research Products
(11 results)