2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540200
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
仙葉 隆 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30196985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 智成 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (00303173)
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Keywords | 偏微分方程式論 / 走化性方程式系 / 爆発 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の通りである。 1)研究資料の収集と研究成果・手法の再検討による新しい知見 本研究の2年目である23年度も、引き続き最新の関係資料の収集を行い、本研究目的に沿った資料の検討を行った。そのために、論文複写、学会ならびに研究集会への参加、関係する研究を行っている研究者の所属大学への出張、学会の開催等を行った。それら情報収集・資料討論の中で、藤細型非線形熱方程式の無限時刻爆発解に関する文献を発見した。その文献を検討する中で、そこで用いられている構成方法を適切に変更する事により走化性方程式系の解の解析に使える事が明らかになりその方向での研究に着手した。また資料収集や他の研究者との討論の中で、爆発解の研究とは逆の観点である時間大域解の研究により爆発解に関する新しい知見を得ると言う研究の方向も有効である事を理解した。 2)Type I爆発解の性質に関する新しい知見 Type I爆発解については、その特別な解である後方自己相似解の安定性に関して前年度までの研究を継続した。この研究により解の解析性を用いて後方自己相似解の安定性に関する新たな知見を得た。また、1)で述べた無限時刻爆発解の構成の研究については、中間的な成果を得る事ができた。その成果に関しては学会発表を行った。当該発表については本書類13の学会発表の欄に記載した。 3)時間大域的な解に関する新しい知見 1)で述べた時間大域解の研究については、解が爆発しない条件として、拡散項、走化性を表す項、外力項の強さを表す媒介変数の関係式を得た。この成果を論文雑誌に掲載した。当該論文に関しては本書類13の雑誌論文の欄に記載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、走化性方程式系の典型的な爆発解の構成と一般的な解が漸近的に典型的な解と同じ振る舞いをする条件を明らかにすることである。本研究では、爆発解をType I、Type IIと二つの種類に分けてそれぞれについて前述の研究を行う事を考えている。現在まで、Type I爆発解については、典型的な解の構成とその解と漸近的に同じ振る舞いをする解の条件をほぼ満足のいく形で与えるとが出来ている。以上の事と平成23年度は5年計画の2年目に当たる事を踏まえると本研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの研究は当初の計画した研究手法のほかに、最新の文献の収集・検討、他の研究者との討論の中で得られた情報・知見を研究に取り込むことで概ね順調に進展している。今後も、現在計画している手法にとらわれることなく、文献の収集・検討、他の研究者との討論を行いながら研究を行っていく事を考えている。ただし、平成24年度以降の交付金額を考慮すると文献収集や他の研究者と討論するための出張を平成22年度、23年度と同程度に行う事が難しくなると考えている。それを補う方策として学内経費のさらなる獲得を考えているが、他の研究者も同様の状況のため十分な経費を獲得する事は困難と考える。
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