2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540204
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
望月 清 首都大学東京, 理工学研究科, 名誉教授 (80026773)
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Keywords | Schro" dinnger作用素 / 外部ポテンシャル / 磁場ポテンシャル / リゾルベントの一様評価 / 平滑化効果 / 星状グラフ / 散乱逆問題 / Marchenko方程式 |
Research Abstract |
今年度発表された2つの論文の内容は次の通りである。ともに強い特異性のある外部ポテンシャルを伴うSchro"dinger作用素を扱っており,Rend.Inst.Mat.の方では作用素の自己共役拡張,正の固有値の非存在,極限吸収の原理,リゾルベントの一様評価を求めている.Res.Inst.Meth.Sci.の方ではリゾルベントの一様評価とともに,それからみちびかれるSchro"dinger発展方程式に対する平滑化効果を示し、さらにそれをKlein-Gordon方程式や波動方程式の解に適用している。これらの結果で特記すべきは外部ポテンシャルの特異性とともに,磁場については方程式に直接現れる磁場のポテンシャルについて遠方での減衰条件を課さないで結果を得ているところにある. 東海大研究集会でのアブストラクトでは,最近研究が進んでいる種々のグラフ上で定義されるSchro"dinger作用素のスペクトル・散乱理論について,得られた結果の一部を紹介している。論文として正式にまとめる段階にはないが,何本かの半直線が一点でつながっているいわゆる星状グラフの場合に負の固有値の有限性,一般化固有関数展開を求め,それを時間に依存する形で定義される物理的な散乱理論の構成に適用している.さらに,この結果を散乱逆問題への足がかりとなるMarchenko方程式の導出に用いている.この結果の特徴は一本の半直線や全直線上のSchro"dinger作用素で得られている主要結果を星状グラフの場合に発展させるだけでなく,定常的に定義される散乱行列関数が物理的散乱作用素の運動量空間での表現になっていることを明確にしたことにある.
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Research Products
(4 results)