2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540206
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
田原 秀敏 上智大学, 理工学部, 教授 (60101028)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 偏微分方程式 / 特異点 / 形式解 / ボレル総和法 / q-差分方程式 / 複素領域 |
Research Abstract |
1、非線型偏微分方程式の形式解のボレル総和法に関連する研究を行なった。形式解が形式的べき級数の場合には、大内忠によってかなり一般的な状況でそのボレル総和可能性は証明されている。しかし、形式解が特異点を含む場合には、山澤浩司による線型方程式で対数的特異点の場合に部分的な結果が知られているものの、非線型で一般の場合については、殆ど何も分かっていないのが現状である。これを解決するには、ボレル平面での合成積偏微分方程式の局所解の解析接続の問題をまず解決しなければならない。この問題についての研究を行い、幾つかの良い結果を得た。論文にまとめ、Opuscula Mathematica に投稿した。これを非線型偏微分方程式の形式解のボレル総和可能性の問題に応用することについては、来年度の研究で実行したい。 2、方程式を時間変数についてq-差分化した q-差分偏微分方程式 の形式解のボレル総和法の研究を行なった。Zhang-Ramis の開発したq-ボレル・ラプラス変換を利用すれば、線型偏微分方程式を時間変数についてq-差分化したものに対しては、よい結果が得られることが分かった。定理は、「もしも、その q-差分偏微分方程式が形式的べき級数解を持てば、それは Ramis-Zhang の意味でq-ボレル総和可能である」と述べられる。 3、更に、ボレル・ラプラス変換の q-類似において、q-ボレル変換とq-ラプラス変換の間の反転公式を証明した。これは、Zhang-Ramis の論文では未解決のまま放置されていた問題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
合成積偏微分方程式の解の解析接続の問題に進展が見られたために、次の課題が具体化してきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
q-差分偏微分方程式の更なる研究には、ボレル・ラプラス変換の新しいq-類似が必要になってきた。ここの部分を集中的に研究してゆく。
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Research Products
(11 results)