2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540208
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
久保 明達 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (60170023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 弘喜 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 准教授 (80238740)
梅沢 栄三 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 准教授 (50318359)
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Keywords | 局所・非局所域モデル / 腫瘍成長モデル / 解の存在と挙動 / エネルギー評価式 / 発展方程式 / 爆発解 / 進行波 / パルス |
Research Abstract |
1.研究代表者は、非局所域モデルに対応した定式化のため、局所腫瘍成長モデルの数学解析において有効であった我々の数学的方法の一般化を行った。その解の存在と漸近挙動を調べるためにエネルギー評価式を得ることが最も重要である。局所・非局所モデルの数学的構造における関連性、同等性と相違点をこれを基準にして明らかにしつつある。 2.研究代表者は7月にポーランド・クラクフで開催された「ヨーロッパ数理・理論生物学会」に参加して現在までに得られた成果を発表すると共に、腫瘍の成長に関する研究打ち合わせや最新の話題を調査した。その後7月に代表者は、J.I.Tello氏の招聘により、マドリッドICMatにおける一週間の共同研究を行い、具体的な共同研究の枠組みと問題を提案し、共同研究について具体的な問題設定を行った。また、彼らの定期的な研究会、Seminario de Matematica Aplicadaにおいて現在までの研究成果を発表した。さらに研究代表者は8月、モスクワで開催された、8^<th>ISSAC CONGRESSにおいて現在までの研究にもちいられた数学的手法をより一般的な発展方程式に対する手法を発表した。さらに代表者は、かねてよりの共同研究者である、Jean Pierre Loheac氏の招聘によりEcole Cetrale de Lyonを訪ね、現在扱っている数理モデルに関連した爆発解の共同研究について議論し、研究打ち合わせを行った。 3.平成24年3月7日に研究分担者らと共に研究集会を開催した。国内外から関連する研究者を招聘し、研究集会を開きこれまで得られた、非局所、進行波モデルについて討論・研究打ち合わせ、最新の話題の提供を受け、進行波に対するパルスの影響に着目し、新たな方向性を見出だした。外国からの招聘研究者は東日本大震災の影響を理由にキャンセルとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
M.Chaplain型の非局所腫瘍浸潤モデルの解の存在については、その後彼とそのグループによって証明されたが、解の漸近挙動や、局所モデルの解との関連についても同様なのかは不明である。そういった点において局所モデルとこのような整合性を保ちながら非局所的性質を備えつつ一般化した微分方程式を提唱した。一方、進行波からの数学解析については現在、侵潤プロセスにおいて生じるパルスに注目し、それが進行波に与える影響を明らかにするため、先行結果を研究中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた結果と進展状況から、特に次の点において新たな取り組みをする必要があると考える。提案した腫瘍浸潤モデルの我々の方向性による非局所化とChaplainらによる非局所モデルの相違点と共通点について明らかにするため、我々の方法で彼らのモデルを数学解析を試み、次に彼らの非局所モデルは積分方程式型であり、これを微分方程式型のものに変換して議論し、その上でコンピュータシミュレーションをすることで、その全貌を見極める必要がある。 進行波については、適当なパルスを与えることによってそれに与える影響を先行結果等を参考にしながら明らかにし、さらにパルス自体が移動させた場合についてその効果を明らかにする。このように、パルスに注目しそれを現象の中心に据えて腫瘍浸潤を数学解析することによって、特徴付けを行うという新たな観点を加え本課題研究をすすめる。
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Research Products
(3 results)