2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540210
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
青木 貴史 近畿大学, 理工学部, 教授 (80159285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 弥生 近畿大学, 理工学部, 准教授 (60388494)
松井 優 近畿大学, 理工学部, 講師 (10510026)
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Keywords | 完全WKB解析 / パンルヴェ階層 / インスタント解 / Voros係数 / 多重スケール解析 / 超幾何微分方程式 / 超幾保関数 / 特異摂動 |
Research Abstract |
本年度は第1パンルヴェ階層に属する高次微分方程式系のインスタントン解構成および超幾何微分方程式のWKB解に付随するVoros係数の研究を行い、幾つかの成果を得ることができた。第1パンルヴェ階層に属する高次微分方程式系に関しては、従来高階の中では最低次である4次の場合のみインスタントン解の構成が行われていた。本研究では従来行われていた単独高階化ではなく、連立微分方程式系として直接扱い一般次数の構成を行うという方法を採った。そのために今までは単独方程式の場合を念頭に置いて開発された多重スケール解析の方法を微分方程式系に拡張する必要があるので、連立系に対する理論を整備した。そこでは線型作用素のスペクトル分解が有効に活用された。その一般論を適用して第1パンルヴェ階層の一般次数の連立微分方程式系に対してインスタントン解の構成を試みた。非線型微分方程式一般に頻出する「小さい分母」の問題に関してこの場合でも幾つか未解決の部分残っているが、概ね満足のいく結果が得られた。未解決部分についても数式実験では「小さい分母」が消えてしまい問題にならないという予想を肯定する結果が得られており、次年度以降解決を目指したい。超幾何微分方程式のWKB解に付随したVoros係数に関してはパラメータに関する差分方程式の導出を行った。
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Research Products
(3 results)