2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540212
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
神谷 茂保 岡山理科大学, 工学部, 教授 (80122381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 悟 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40123963)
山崎 正之 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70174646)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 複素双曲空間 / 複素双曲三角群 / 離散群 |
Research Abstract |
2次元複素双曲空間に等長変換群として作用するPU(1,2;C)の離散部分群を見つけだすことが目標であり、本研究では特に離散的な複素双曲三角群を見つけだすことが目的である。 まず(n,n,infinity;k)型の複素双曲三角群の離散性についての研究をおこなった。以前複素双曲版のJorgensenの不等式と3つの生成元の積に関する性質により、n>29についてはすべて非離散的であることを示した。この結果を改良するために、私たちが開発してきた複素双曲版(特にregular elliptic な元を含む群についての)Jorgensenの不等式を用いることにより、n>21の場合はすべて非離散的な群になることを示すことができた。Jorgensenの不等式以外の別の統一した方法も探ってきたが今のところ見出すことができていない。複素双曲三角群を個々に調べていくという方法により手探りで離散性の判定を行っているのが現状であるが、Conway-Jonesの三角関数についてのディオファンタス方程式に関する定理を応用し、無限位数を持つ特別なregular ellipticな元を見つけ、このことによりいくつかの非離散的な部分群を散発的には見つけることができた。また対象とする複素双曲三角群が算術的かどうかを調べるという代数的な方法により離散的な群をいくつか見出すことができた。実双曲空間の場合と比べて複素双曲空間の全測地的な部分空間の交わり方は複雑であり基本領域の形状を議論するのはやさしくないが条件をつけることにより少しずつ状況が明らかになってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(n,n,infinity;k)型の複素双曲三角群がn>29 の時,非離散的であるという以前の結果をn>21にまで改良できた。しかしこれをn>17にまで改良できるのではという予想については未解決である。(n,n,infinity;k)型の複素双曲三角群が離散群か否かを示す完全なリストを完成させるには、一つ一つの群をしらみつぶしに調べるという方法しかないのが現状であり、未だ統一した研究方法が見いだせていないことなどから当初の計画以上に進展しているとは言い難い。
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Strategy for Future Research Activity |
複素双曲空間における全測地的部分空間の交わり方のような幾何学的な考察により複素双曲三角群の基本領域の候補を組合せ的な方法で求めること。非離散性を示すために用いたConway-Jonesの結果の拡張、複素双曲版Jorgensenの不等式の精密化などについても検討していく予定である。また(n,n,infinity;k)型の個々の複素双曲三角群のより詳細な研究、特に(n,n,infinity;k)型ではない既知の(p,q,r)型の離散的な群と非離散的な群との比較検討も行っていく予定である。実双曲空間に作用する等長変換群について得られた結果を精査し複素双曲三角群にも応用できる可能性があるかどうかも検討する予定である。
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Research Products
(1 results)