2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540220
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
渚 勝 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50189172)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 作用素環 / 完全正写像 / シュアー積 / 作用素論 / 作用素単調関数 / Petz-Hasegawa の関数 / Haagerup テンソル積 / 極大可換部分環 |
Research Abstract |
作用素空間とその行列ノルムの構造として、シュアー積に関係する研究を実施した。シュアー積に付随する写像は、作用素環の枠組みでは、Haagerup テンソル積や極大可換部分環を話題に関係し、当初の共同研究の予定通り、 群馬大学の共同研究者と、テンソル積機についての投稿中の論文および、今後の展開、および新たにインドネシアの研究者を含めた共同研究の足がかりになる無限次元でのシュアー積の特徴付けに関連する成果を発表することができた。 行列状のノルムの構造は、行列から定まる順序構造と密接であり、正値性を保存する性質は、作用素環論だけでなく、作用素論の視点から、またその応用として量子情報理論の視点からも重要である。この方面では、作用素単調関数に関する新しい構成方法を得ることができ、情報理論としての話題の拡張に寄与できる可能性が大きいと期待されている。また、作用素分野においては、東京近辺での研究者の交流を活発にすることなどに留意し、隣国、韓国の研究者との繋がりにも努めている。 これらの成果は、現状、査読付き論文として既発表のものは1編であるが、数学会での発表や国内での講演、海外での講演と作用素環、作用素論、情報関係の多くの研究会に参加し、情報交換を計った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
もっとも主と予定していた、今後のインドネシアの研究者を含めた共同研究については、(2)のおおむね順調という認識である。現在、まとめつつある成果が、予期していない解決が期待できそうで、その成果がどうなるかが、問題となる。 付随する問題として、作用素単調関数に関する結果が得られたが、量子情報理論として一般論を展開する上で、一つの方向性を示唆する部分があり、また、作用素論の話題として、この方面に多くの話題が提供できそうであり、当初の予定にはなかった共同研究などが進展している。 主の問題のための情報収集を予定していたが、作用素単調関数の議論として多くの応用の可能性があることがわかり、その方面の研究者との情報交換が活発になり、収集に追われることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
上に述べた主とする研究の遂行が、中心である。インドネシアの研究者との研究についても既に進行中であり、一つの方向性で成果を得ている。この話題の関わりとして、多くの作用素環論研究者との情報交換を昨年度、予定していたが、残念ながら作用素論の研究打ち合わせに追われ、この方向では十分な情報収集ができなかった。 昨年度の研究打ち合わせにより、作用素論の共同研究を着実に進展させる予定は整ったと認識している。したがって、主とする方向の問題の展開として企画していた、京都大学、九州大学近辺の作用素環論研究者との情報交換を密にして、さらに話題を広げられることを期待している。
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