2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540220
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
渚 勝 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50189172)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 作用素単調関数 / Pick関数 / 作用素空間 / Haagerupテンソル積 / Schur積 / 作用素の正値性 |
Research Abstract |
作用素環論、作用素空間の研究として正値性、シュアー積、数域という作用素の研究に多く用いられる概念を駆使して研究を行った。とりわけ、正値性の研究に関しては、作用素の不等式として作用素単調関数を中心に考察を加えた。作用素環の理論においては、正則関数を用いる議論は多くの場面で現れる。作用素単調関数も複素上半平面を不変にする解析関数として本来議論されてきたが、近年、不等式の形の議論が増え、複素関数の側面が顧みられなかった傾向がある。量子情報理論におけるダイバージェンスに関連するある種の関数の作用素単調性の証明が、ひとつのキッカケとなり、正則関数の視点に立ち返ったことが、作用素単調性の周辺の状況を見やすくすることに役立った。 成果としては、シュアー積、数域との関係を意識したハーゲラップ型の作用素空間のテンソル積の特徴付けが得られた。これは、ある種の空間を通過する作用素という形の特徴付けに関連している。シュアー積に関連付けた作用素の構造の一般化として捉えていたが、作用素のある種の見方と捉えると自然に作用素の話題への還元があり、そのアプローチを残している状態である。作用素単調関数について、既に述べた関数論的アプローチで一般的な関数の作用素単調性を得たことと、作用素単調関数に関連して、作用素平均を用いた順序構造の話題へと発展させることができた。 また、現時点では口頭発表にとどまるが、指導する学生や外部共同研究者と共に、関数を用いた作用素の順序の判定や、作用素単調関数の有理関数近似や、特殊な有理関数の作用素単調性の判定等に成果を得、複素関数の研究の新たな繋がりとして、また、作用素凸関数や凹関数の研究へと進展していく過程にあると認識している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)