2010 Fiscal Year Annual Research Report
双直交関数系および離散・超離散可積分系の研究とその応用
Project/Area Number |
22540224
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻本 諭 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (60287977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 佳正 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50172458)
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Keywords | アルゴリズム / 応用数学 / 数理工学 / 可積分系 / 直交多項式 |
Research Abstract |
本年度は,直交多項式の理論と廣田のタウ関数の理論を用いることで,古典直交関数系と非自励離散可積分系を手がかりに以下の2項目について理論的解析を中心にすすめた。 1. 【古典直交多項式と可積分系のスペクトル保存変形理論】 直交多項式における古典性については,漸化式と微差分方程式の間の双対性や線形汎関数に対する議論など様々な等価な特徴付けがなされている。本年度は,Gomez-Ullate, Kamran, Milsonによって導入された例外型古典直交多項式について解析した.ここではスペクトル保存変形の理論を用いることで,例外型Jacobi多項式および例外型Laguerre多項式に対する新たな導出法とその漸化式構造を明らかにした.特に,5項間以上の漸化式など従来の古典直交多項式では表れない特徴付けを与えた. 2. 【超離散系への応用】 直交多項式の理論を用いた超離散可積分系への応用として,有限格子上の非自励戸田格子方程式の超離散化を与えることに成功した.ここで対応する超離散系としては,長さ制限付きの箱玉系が表れることを明らかにし,従来の速度制限付きの箱玉系との関係を明らかにし,対応する厳密解を与えた.ここで得られた結果,次年度以降の減算のない高精度アルゴリズムの基礎理論を与えるものであり,数値計算アルゴリズムへの応用へとつながるものと考えている.
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Research Products
(6 results)