2011 Fiscal Year Annual Research Report
非横断的交差を含むヘテロ次元サイクルのロバスト性に関する研究
Project/Area Number |
22540226
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
桐木 紳 京都教育大学, 教育学部, 教授 (50277232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 輝彦 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (50154688)
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Keywords | 力学系 / 双曲性 / ホモクリニック / ヘテロ次元サイクル / トポロジー / 分岐 / ストレンジアトラクタ / エノン写像 |
Research Abstract |
非双曲的力学系の研究の最も重要なテーマは,ホモクリニック接触とヘテロ次元サイクルである.というのは,力学系の双曲性に関する予想で『双曲的でない任意の微分同相写像はホモクリニック接触かヘテロ次元サイクルをもつものでC^r近似される(Palis予想)』というものがある.この予想が正しければ非双曲的力学系の研究は,ホモクリニック接触かヘテロ次元サイクルをもつ写像族を中心に行うべきあるし,たとえそうでなくても,これら以外の非双曲的現象は見つかっていない現状を踏まえれば,全貌が未だ分からないこれらの現象を研究することは意義のあることである.本研究の目的は,この2つの非双曲的な現象を同時に含むような最もクリティカルな状態,すなわちヘテロ次元接触に関する分岐を明らかにすることである.具体的にはこの分岐のC2ロバスト性やストレンジアトラクタの発生やNewhouse現象について明らかにする.この目的に沿って研究を進め,研究実績として次の3つの論文にまとめ出版した. [1]Coexistence of homoclinic sets with and without SRB measures in Henon family (collaboration with M.-C.Li and T.Soma), Nonlinearity 23-9 (2010) 2253-2269 [2]Heterodimensional tangencies on cycles leading to strangeat tractors (collaboration with Y.Nishizawa & T.Soma), Discrete Contin.Dyn.Syst.27-1 (2010) 285-300 [3]Stabilization of heterodimensional cycles (with Ch.Bonatti & L.J.Diaz), Nonlinearity 25-4 (2012) 931-960
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
証明が完成し,その研究成果をまとめた論文3本の出版に成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の遂行にあたり問題になる点を明らかにしておく.研究代表者,分担者,協力者の所属が別であり,地理的にも遠いということである.上の2の検証においては,e-mailなどを使った通信手段では限界があるので,3名による会合などを行なう予定である.その際,研究分担者は首都大,協力者2名はブラジルのPUC-Rio所属なので,研究代表者がそれぞれに出向くのが効率的である.また,上の計画通り進まないような場合に備えて,研究分担者と協力者以外に助力を得られる可能性についても述べておく.研究代表者は,Ming-Chia Li氏(台湾NCTU),L.J.Diaz(ブラジルPUC-Rio)などとの共同研究において,本研究のテーマであるヘテロ次元サイクルに関して有効ないくつかの結果を得ている.本研究の遂行にあたり,彼らから助言を得ることが必要不可欠であると考えている.
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Research Products
(8 results)