2012 Fiscal Year Annual Research Report
新しいタイプの非線形分散波動方程式の初期値問題に関する研究
Project/Area Number |
22540228
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松野 好雅 山口大学, 理工学研究科, 教授 (30190490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 哲 山口大学, 理工学研究科, 教授 (00131376)
柳原 宏 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (30200538)
岡田 真理 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (40201389)
増本 誠 山口大学, 理工学研究科, 教授 (50173761)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 非線形分散波動方程式 / 厳密解法 / ソリトン / 漸近解析 / 初期値問題 |
Research Abstract |
工学上の応用において重要な非線形分散方程式の一つであるFokas-Lenellsの微分型非線形Schrodinger方程式に関して以下の成果を得た。1.ブライトソリトン(Bright soliton)解の構成: Fokas-Lenallsの微分型非線形odinger方程式は光ファイバー中のパルス伝播を記述するモデル方程式である。ここでは行列式の理論に基づく純代数的な手法(いわゆる直接法、あるいは双線形化法)により、無限遠方で零となる境界条件を満たす多重ソリトン解(ブライトソリトンと呼ばれている)を得た。具体的には行列式の比として表せる2種類の解の表示を導き、その性質を議論した。とりわけ解の時間無限大での漸近的な性質を調べ、ソリトンの衝突による位相のずれの公式を導いた。ソリトン解の証明は行列式の基本的性質、特にJacobiの恒等式のみを用いた簡明なものである。2.ダークソリトン解(Dark soliton)解の構成: ダークソリトン解は無限遠方で零とならない境界条件を満たす解の一種である。直接法により多重ダークソリトン解を得た。ブライトソリトン解の場合と異なり、その構成法は非常に複雑であり、新たな手法を要した。すなわち、ここでは解の基本的な構成要素であるタウ関数の間の3次の恒等式が重要な役割を演じた。特に興味ある解の性質としては、一定の背景下におけるブライトソリトンとダークソリトンの存在である。これに関して詳細な解析を行った。さらに解の漸近解析も行い、位相のずれの公式を得ることができた。本研究において用いた解析手法は、種々の非線形分散波動方程式(多成分型を含む)のダークソリトン解の構成に応用できるものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)