2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
大塚 浩史 宮崎大学, 工学部, 准教授 (20342470)
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Keywords | 関数方程式論 / 関数解析学 / 応用数学 / 数理物理 / 変分法 / 点渦 / 渦点 / 平均場 |
Research Abstract |
「平衡点渦系の平均場は点渦系の何を表現し得るのか」、これを明らかにすることを目標に、平衡点渦系の平均場の空間的構造、並びに、平均場を与える自由エネルギー汎関数の、無限次元空間におけるグラフの構造を解析すること、特にこれらの構造を、有限次元系である点渦系のハミルトニアンと関連づけて解明することが目的である。 今年度は、Gladiali-Grossiによるゲルファント問題の線形化問題に関する結果の拡張に取り組んだ。ゲルファント問題は非線形固有値問題の一種だが、扱う方程式は(単成分系)平均場方程式と同じである。但し方程式を導く汎関数が異なるため、考察しなければならない線形化問題が異なり、それはゲルファント問題の方が易しい。Gladiali-Grossiは、ゲルファント問題の解の列で1点爆発するものについて、その線形化問題を考察をしたが、今年度取り組んだ拡張は、それらの多点爆発する解の列への拡張である。これは、Gladiali-Grossiが境界条件を効果的に使って行った議論を局所的に行うことが必要であり、平均場方程式を考察する上でも欠かせない議論である。解の列が漸近的に非退化であることが、点渦系のハミルトニアンの非退化性で定まる結果(2004Comm. PDE)を拡張して出版した。また、線形化固有値問題の固有値の挙動に関する結果(2009AIHP)の拡張をGrossi氏と連絡を取りながら進めた。線形化固有値問題の解析は、ゲルファント問題の解の、無限次元空間における臨界点としての構造を詳細に知るために必要であり、平均場により近似される点渦系を理解する上でも重要な情報だと思われる。 また、多成分点渦系の平均場方程式の爆発解析に関する結果を出版し、各地で講演する機会を得た。多くの研究者と有益な議論をすることができた。
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Research Products
(10 results)