2011 Fiscal Year Annual Research Report
極小曲面論並びに関連する幾何学的変分問題における特異点と均衡条件
Project/Area Number |
22540232
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
加藤 信 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10243354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 太 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10374901)
小森 洋平 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70264794)
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Keywords | 多様体上の解析 / 極小曲面 |
Research Abstract |
本研究は、三次元Euclid空間内の埋め込まれたendのみを持つ有限全曲率完備極小曲面、いわゆるn-noid,特にcatenoid型のendのみを持つn-end catenoidについて、種数0の場合の曲面全体の空間の相対weightによるより詳細な記述、種数1の場合の相対weightによる崩壊の分析、種数2以上への一般化を図ると共に、特異点集合の研究を中心に近年注目されている、三次元Lorentz空間内の極大曲面についても、特有の現象について、相対weightを用いた分析を行うことを目的とするものである。 まず、種数0の場合については、これまで対象としていなかった、奇数位数の分岐点を許容するクラスについて、定式化を行い、相対weightの概念を拡張、さらに、相対weightによる分岐点の個数の記述も一般化した。これらの結果については、さらに研究を継続中である。 次に、種数1の場合については、二つのクラスの内、ほとんど例の知られていなかった方のクラスに含まれる、前年度に構成した例について、詳細な分析を行なった。これらの結果については、論文を近日中に投稿予定である。 また、三次元Lorentz空間内のsimpleなendのみを持つ極大曲面については、前年度に二つの定式化を行なった、これまで研究がなされていなかったクラスに含まれる曲面について、その共役極大曲面に関する分析を行なった。この研究も継続して進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
種数0の場合については、当初企図していたような精確な記述がほぼ得られつつあり、種数1についても、二つのクラスの間の関係が明確になって来た。極大曲面については共役曲面に着目することで、極小曲面の場合以上に、見通しがよくなる側面があることが分かった。以上の理由により、おおむね順調に進展していると言える。なお、発表論文が無いのは審査に時間を要したためで、現在査読付専門誌より掲載決定の回答を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
今の所、基本的にこれまでの方針を継続する。種数0については、これまでに得られた結果を整理し、論文としてまとめる予定である。また、種数1については、これまでに得られた結果に関する別の論文を、近日中に投稿すると共に、さらにより対称性の低い例の構成に努め、曲面の崩壊に本質的な条件を探る。極大曲面については、これまでの分析に解析的なアプローチを組み合わせて、より一般的な存在定理を導くことを企図している。
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