2012 Fiscal Year Annual Research Report
多孔性媒質中の流体現象をモデル化した保存則系の数学解析
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22540238
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
浅倉 史興 大阪電気通信大学, 金融経済学部, 教授 (20140238)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 双曲型保存則系 / 大域解 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
1. 多孔性媒質における3相流体モデルにおいて、孤立した多重双曲点の近傍のエントロピー関数は、3重被覆面で定義された関数となることが分かった(15th International Conference on Hyperbolic Problem (2012), Padova で発表。 2. Kumano-go 完全対称化、Dafermos 弱消散系の対称化作用素 は、ほぼ同値であることが分かった。とくに、高周波領域については、Kawashima-Shizua 条件に表れる歪対称行列の構成とも同値になる(K. Trivisa 氏への私信)。 3. 課題に関連する、polytropic 気体の運動方程式について: (1) Glimm 差分法を用いて大域解の存在を論じた、T.-P. Liu 氏の論文(Indiana Math. J., 1978)で提出され、証明が十分に解説されていない諸補題について、完全な証明を与えた(Acta Mathematica Vietnamica, 2013に掲載予定)。 (2) 大域解の存在について、波面追跡法を用いた別証明を与えた。これは、A. Corli 氏との共同研究によるもので、現在投稿中である。研究代表者が開発した径路分解法が、衝撃波の相互作用量評価において有効なことが分かった。また、大域的な相互作用量評価について、振幅幅が小さい場合(Glimm による)と、気体力学方程式で振幅がある程度大きな場合との、差異を明確にできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の目的の1つである、退化した放物型方程式の拡散効果が十分に解析されていない。これは、拡散行列の退化の仕方が特別であって、解析には新しいアイディアが必要と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
退化した放物型方程式の拡散効果を引き続き解析する。とくに (1) 衝撃波の許容条件と粘性進行波の存在 (2) 境界上に制限した2相流体モデルの拡散効果 に注目する。また、いままでに得られた知見をもとにして、電離した多相流体モデルにおける、衝撃波の数学解析を行う。
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