2012 Fiscal Year Annual Research Report
角がある領域における非定常Navier-Stokes方程式の数学解析
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22540239
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田中 尚人 福岡大学, 理学部, 教授 (00247222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 直記 福岡大学, 理学部, 教授 (50030789)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | Navier-Stokes 方程式 / Stokes 方程式 / 扇形領域 / 角の近くでの特異性 / Fourier-Bessele展開 / ヘルダー評価 |
Research Abstract |
角がある非定常非圧縮性Navier-Stokes方程式の解の存在定理の研究に関して,平成24年度は空間次元2次元の扇型領域におけるStokes方程式(Navier-Stokes方程式の対流項(非線形項)を無視することにより線形化した方程式)の,divergence free の部分を記述する熱伝導方程式について解析を行った.境界条件をDirichlet 0 条件(粘着条件)で考えるとすると,この扇形領域における熱方程式の初期-境界値問題の解はFourier-Bessel級数展開を使って具体的に書き下せる.通常のテキストでは解の具体的な表示式を求めるのみにとどまり,これの評価式を解析している論文は筆者の知る限り皆無であった.しかしながら Bazaliy-Vasylyeva, Elect. J. of Diff. Equs., Vol. 2010, No. 90, において非有界の角領域(扇型領域の半径を無限大と見なした場合の非有界領域)において,熱方程式の解の具体的な表示式の評価を行っていることを知った.この論文では,関数の滑らかさを,その関数の最良近似度により見積もる S. N. Bernstein の定理を用いて解を評価しており,近似解の構成は D. Jackson の方法に従っている.この論文で用いている手法は十分に汎用性があると考え,精読したところ改良すべき点がいくつか浮かび上がってきた.すなわち,重みの付け方が最良(optimal)ではない,時間微分についても重みをつけているが,原点での特異性を消すためには動径方向の微分についてのみ重みをつけるので十分であるはずである,等々である.そこで Bazaliy-Vasylyeva の手法にこれらの改良点を加え,上述の扇型領域における解のヘルダー評価を求めることに成功し,現在出版準備中である.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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