2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540242
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 秀和 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (00282814)
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Keywords | 惑星形成 / 原始惑星系円盤 / 衝突破壊 / 微惑星 |
Research Abstract |
惑星形成の場である原始惑星系円盤において,惑星の固体材料物質はダストの移動により円盤内で大幅に再配置される.この効果を考慮し,ダスト成長による微惑星形成とその後の惑星集積過程を再検討する.再配置の効果は,従来の惑星形成過程の描像を定性的に変えてしまう可能性がある ダストは宇宙線などにより負電荷に帯電していることが近年指摘されいる。本年度はまず、帯電による静電反発でのダスト成長阻害効果について調べた。原始惑星系円盤内側の惑星形成領域では、ガス抵抗が強くダスト衝突速度が小さいため静電反発によりダスト成長が強く効くことが明らかになった。そのためこの領域では成長・移動の特徴的な時間は百倍程度長くなる。一方、円盤の百AU付近の領域ではダスト衝突速度が比較的速いため静電反発の効果は小さい。そのため、我々の考える100AU付近から内側領域へのダスト移動による固体材料物供給については大きな影響はないと考えられる。 固体材料物質再配置による惑星集積過程への影響についても、微惑星面密度を変えて衝突破壊を考慮した惑星集積数値計算を行うことにより調べた。衝突破壊を考慮した場合、現在の太陽系を説明するためには10倍程度の微惑星面密度増加が必要であることを明らかにした。
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Research Products
(9 results)