2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540246
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅田 秀之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (60447357)
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Keywords | 超新星 / 恒星進化 / 電子捕獲型 / 超新星親星 / 元素合成 / 大質量星 / 質量放出 / 超新星爆発 |
Research Abstract |
当該年度は主として太陽の8-10倍の質量を持つ恒星の進化計算を行うためのコードの開発、整備とそれを行うために必要なテスト計算を行った。まず、我々がこれまでに用いていたコードと同じものを用いて幾つかテスト計算を行ってみたが、その結果以下のような問題点があることが明らかになった。これらの星は炭素燃焼後に中心部の温度が下がって燃焼が止まり冷えて行く。その後、中心核は電子の縮退圧によって支えられるが、星の外部ではヘリウム、炭素の燃焼が熱的なパルスを伴いながらゆっくり進み中心核の質量がゆっくり増えていく。一方、中心部では電子捕獲がゆっくりと進んでいく。これらの計算を正確に行うには、大きな核反応ネットワークで物質の電子捕獲を計算しながらの長時間計算に耐えうるコードの高速化が必要となることがわかった。 そこで、連携研究者の吉田敬氏とともにこのような計算を行えるコードを開発した。そのコードのテストを兼ねて、質量放出が重要となるような大質量星の進化計算に応用し、観測史上最も重い星の超新星爆発ではないかと言われている超新星2007biの親星がどのようなものであったのかについて議論を行い、その結果を査読誌で出版した。我々は、この超新星は電子-陽電子対生成型超新星であると考えるよりも、重力崩壊型超新星である可能性のほうが高い事を示したが、この結果はまだ不確定な要素の多い、最も重い星の進化や質量放出に関して興味深い示唆を与える。
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Research Products
(4 results)