2010 Fiscal Year Annual Research Report
活動銀河核多波長モニターデータベースと活動銀河核変光・放射機構の研究
Project/Area Number |
22540247
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
峰崎 岳夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (60292835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 俊宏 筑波大学, 計算科学研究センター, 研究員 (60433695)
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Keywords | ブラックホール / クエーサ / 活動銀河核 / 変光 / 可視 / 近赤外線 / ダスト / 多波長 |
Research Abstract |
活動銀河核とは銀河の中心部の極めて小さい領域において太陽光度の1000万~100兆倍に達する巨大な放射が生じている現象で、太陽質量の10万~100億倍の質量をもつ巨大ブラックホールへのガス降着によって開放される位置エネルギーが降着円盤によって放射に変換されている。本研究では活動銀河核の多波長モニターデータを使い多波長変光の相関を解析し、降着円盤やダストトーラスの構造と放射機構を明らかにすること第一の目的とし、これを通じて巨大ブラジクホールの成長や活動銀河核と銀河の共進化の謎の解明にも貢献することが目標である。 東京大学MAGNUM望遠鏡を用いた活動銀河核の多波長モニター観測の結果、セイファート銀河の可視連続放射は変光によらず変化しないことを示し、降着円盤放射の変光が局所的なバーストのような現象によるものではないことを示した。いっぽうでNGC4051を始め多くの活動銀河核ではX線放射と可視放射の変光は時間的によく相関しており、互いの放射機構の密接な関係を示唆している。また、ダストトーラス放射領域サイズの活動銀河核光度との相関を観測的に求めるとともに、clumpyなダストトーラスモデルに基づく降着円盤放射の非等方性を考慮したダストトーラス放射の降着円盤放射に対する応答モデルを構築し、観測されるトーラス内縁距離が、理論予想値の何故か約1/3しかない事への定量的解釈を提示した。
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