2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540251
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
福江 純 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80173326)
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Keywords | ブラックホール / 降着円盤 / 宇宙ジェット / X線連星 / 活動銀河 / ガンマ線バースト / 相対論的輻射輸送 / 輻射流体力学 |
Research Abstract |
大量のガスがブラックホールに落ち込むと、ガスはブラックホールの近傍できわめて高温になり、光り輝くようになる。そして光の放射圧によってガスの多くは吹き飛ばされる。本研究では、ブラックホール周辺から光速近くの速度で吹き出す高温のガス流-ここでは「ブラックホール風」と呼ぶ-の形成や観測的特徴について調べる。 ブラックホール風が光学的に厚い場合、光り輝く光球面(実際に観測される表面)がどこに位置するかは、単純ではなくなる。とくにガスの流速が光速近くになると、相対論的効果を考慮して決めなければならない。われわれのグループでは、そのような球対称ブラックホール風のスペクトルなどを調べていたが、今年度の研究では、とくに"散乱"の効果に注目し、球対称ブラックホール風や超臨界降着円盤風のスペクトルがどのように変わるかを調べた。その結果、ブラックホール風のスペクトルは高エネルギー領域で散乱の効果を強く受け、いわゆる√ε_v則に従ってぼやける場合があることがわかった。とくに平行平板近似のもとで、降着円盤風内の輻射輸送問題に対して、散乱の効果を入れた解析解をはじめて得ることができた。 一方、この数年にわたる研究の過程で、相対論的でない通常の降着円盤に関しても、輻射輸送の観点からは多くの問題が未解決であることが判明した。本研究に密接に関連しでいるので、今年度の研究では、降着円盤大気で散乱がどう働くかを調べ、散乱を含んだ解析解を得た(Fukue2011)。さらに、上記の研究と平行して、中心星の照射や自己照射の効果についても調べて、やはり散乱の効果を得た解析解などを得た(Fukue 2012)。また散乱が非等方な場合などについても、基礎的研究を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初はあまり考えていなかった、非相対論的な降着円盤についても、研究が不十分なことが判明し、関連問題として手を広げて取り扱うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、プラスαで、推進していく予定である。研究遂行上の問題点は、大学があまりにも雑用が多すぎるようになったことである。こちらで可能な対応策はない。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation]2012
Author(s)
小倉和幸、福江純
Organizer
日本天文学会2012年春季年会
Place of Presentation
龍谷大学
Year and Date
2012-03-20
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[Presentation]2012
Author(s)
福江純
Organizer
日本天文学会2012年春季年会
Place of Presentation
龍谷大学
Year and Date
2012-03-20
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[Presentation]2011
Author(s)
福江純
Organizer
日本天文学会2011年秋季年会
Place of Presentation
鹿児島大学
Year and Date
2011-09-20
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[Presentation]2011
Author(s)
小倉和幸、福江純
Organizer
日本天文学会2011年秋季年会
Place of Presentation
鹿児島大学
Year and Date
2011-09-20
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