2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540262
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
萩野 浩一 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20335293)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 対相関 / ダイニュートロン相関 / 対移行反応 / 2中性子放出崩壊 / 2陽子放出崩壊 / 重イオン反応 / 核融合反応 / 中性子ハロー |
Research Abstract |
原子核の存在限界を規定する中性子ドリップ線及び陽子ドリップ線の外にある非束縛原子核の2核子放出崩壊は、核子2つ分の変化を伴う現象という意味で、本研究の研究課題名にある対移行反応とも密接に関連する課題である。今年度は主にこの現象の解明を行い、以下の研究成果を得た。1) 最近ミシガン州立大学で実験的に観測された 26O 核からの2中性子崩壊に関する実験データを3体模型を用いて解析した。崩壊スペクトルに対する対相関及びそれに起因するダイニュートロン相関の重要性を明らかにするとともに、ダイニュートロン相関のために2中性子が反対方向に放出される成分が増幅することを指摘した。この成果を Phys. Rev. C 誌に発表するとともに、2013年9月に韓国で行われた国際ワークショップや2014年3月に行われた日本物理学会等で口頭発表を行った。2) 6Be 核の2陽子放出崩壊現象を3体模型を用いて解析した。その際、崩壊の様子を直感的に理解することができる時間依存アプローチを開発した。崩壊のQ値(崩壊前後の原子核の質量差)と崩壊幅を同時に再現するためにはダイプロトン相関が重要な役割を果たしていることを明らかにした。また、二陽子の密度分布の時間発展を見ることにより、崩壊過程のダイナミックスを明らかにした。その結果、少なくとも崩壊過程の初期においては、初期状態にあったダイプロトン相関がそのまま保たれて2つの陽子が同じ方向に放出され、その後に終状態相互作用により2陽子が離れていく、という描像を得た。この成果は現在投稿論文を準備中であり、また、実際の計算を担当した大学院生が日本物理学会等で口頭発表を行った。これらの2核子放出現象の研究に加え、関連課題として、重イオン弾性散乱と核融合反応の関係、ハイパー核の反応断面積と縮み効果、ハイパー核の低励起双極子運動、に関する研究も行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)