2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷口 裕介 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (60322012)
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Keywords | 格子理論 / 繰り込み / SF scheme / 改良作用 |
Research Abstract |
今年度は、step scaling function (SSF)の格子間隔依存性が小さく保たれる、性質の良い格子作用の探索を行った。検討すべき項目としては次の二つを設定した。 ●強結合領域におけるSSFの格子間隔依存性の大きさ。 ●弱結合領域におけるSSFの格子間隔依存性が摂動のone-loopで記述できているか。 格子作用としては、改良されたゲージ作用とclover項を含むWilsonフェルミオン作用を基本として、次の3点に対する比較検討を試みた。 ●ゲージ作用の改良を摂動論的に行うか、tadpole近似で行うか? ●clover項を摂動論的に与えるか、tadpole近似、または非摂動論的に与えるか? ●ゲージ場に対してsmearingを行うか? 比較対象は、この研究以前に採用された、くりこみ群によって改良されたゲージ作用と非摂動論的なclover項の組み合わせである。今年度はこれらの組み合わせのうち、摂動論的に改良されたゲージ作用と、摂動論的なclover項の組み合わせに対して、調査を行った。その結果、弱結合領域における振る舞いは非常に良いものの、強結合領域における格子間隔依存性は、かえって悪化することが判明した。次のテーマとして、ゲージ場に対するsmearingの効果を調べることが考えられる。
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