2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540265
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷口 裕介 筑波大学, 数理物質系, 講師 (60322012)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 有限密度相転移 / 格子QCD / カノニカル分配関数 / 実化学ポテンシャル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度までに行った、smearされたgauge linkを持つDirac operatorの非摂動論的な改良の具体的な適用先として、有限密度格子QCDにおける相転移現象の研究を行った。特にsmearingを行ったことの意義としては、従来の数値計算では到達困難であった低温側の領域において安定した計算を行えるようになったことがある。このため低温側において特に顕著となるクォークの閉じ込め-非閉じ込め相転移をはっきりと捉えることができる可能性が高まった。 有限密度格子QCDには複素作用の問題、及びその派生としての符合問題と呼ばれる未解決の問題がある。当研究においてはこの複素作用の問題を直接回避する方策として、カノニカル分配関数をフガシティー展開の係数として直接計算するカノニカル法と呼ばれる手法を採用した。更に重いクォークに対して有効なhopping parameter展開を採用することで、広い温度領域でカノニカル分配関数の計算を行った。物理量の計算としては、求めたカノニカル分配関数を用いてグランドカノニカル分配関数を実化学ポテンシャルの関数として再構成したことが挙げられる。その結果、クォークの閉じ込め相である低温側から出発して、実化学ポテンシャルを上げて行った時の各種物理量の振る舞いを見ることができた。そこからはクォークの閉じ込め-非閉じ込め相転移や自発的に破れているカイラル対称性が回復する相転移の様子が見て取れた。特に明らかな閉じ込め相において、比較的大きな化学ポテンシャルでの相転移現象を捉えることができた点は誇るべき成果であると考えている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] カイラル相転移を追いかけて2015
Author(s)
谷口裕介
Organizer
素粒子論の展望:80年代、90年代から未来へ
Place of Presentation
大阪大学豊中キャンパス(大阪府)
Year and Date
2015-02-14 – 2015-02-14
Invited
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