2012 Fiscal Year Annual Research Report
微視的核子間相互作用に基づく不安定原子核の殻構造の解明
Project/Area Number |
22540266
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中田 仁 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80221448)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 半現実的核子間有効相互作用 / 原子核の殻構造 / 自己無撞着平均場理論 / テンソル力 / 対称エネルギー / 陽子泡構造 / 形状相転移 |
Research Abstract |
微視的な核子間相互作用に基づき原子核構造の殻構造の全体像を理論的立場から解明することを目指し,以下の研究を行った。(1) 微視的核子間相互作用を基に,二重閉殻核の束縛エネルギーや球形核の対相関等の有限核の諸性質に加え,中性子物質の状態方程式についての微視的計算結果を再現する,半現実的核子間有効相互作用の新しいparameter-setを開発した。それにより,対称エネルギーの密度依存性が改善され,また広い密度領域でスピン自由度まで通常核物質の安定性が保持されることを確認した。(2) 上記の有効相互作用を用いて自己無撞着平均場計算(Hartree-Fock及びHartree-Fock-Bogolyubov計算)を実行し,中質量核から超重核に至る広い質量領域の球形核の殻構造を調べて,対相関からmagic number及びsub-magic numberを特定した。少数ながら,テンソル力の効果等により不安定核特有のmagic numberまたはsub-magic numberが現れる場合を見出した。(3) 上記の核子間有効相互作用を用いた球対称平均場計算により,Ca同位体の陽子空孔状態の準位逆転現象が定量的に再現できることを示した。その際,現実的テンソル力が重要な役割を果たす。さらに,対相関等のため準位逆転にもかかわらずAr同位体では陽子泡構造を持つとは考えにくいこと,他方34Siでは陽子泡構造の可能性があることを指摘した。(4) RPA計算により二重閉殻核等を例として低励起E1遷移の性質を調べ,励起エネルギーが高くなるにつれてスキン・モードから陽子・中性子モードへ徐々に推移すること,またスキン・モードの比率が核種にほとんど依存しないことを見出した。(5) 殻模型モンテカルロ法により希土類核の球形・変形クロスオーバー転移を再現し,集団運動による核準位密度の増大について調べた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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