2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
川村 嘉春 信州大学, 理学部, 教授 (10224859)
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Keywords | 余剰次元 / 素粒子 / 統一理論 / 超対称性 / 超弦理論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、時空構造の拡張(余剰次元の導入など)に基づいて素粒子の性質や法則を解明することにより標準模型を超える現実的な理論を発見し、宇宙の謎を解き明かすことである。 研究計画の1つとして「余剰次元や未知の概念に基づいて素粒子の謎に迫る」を掲げた。標準理論に潜む謎として「なぜ、3世代の物質粒子が存在し、それらの間に質量の階層性や混合が存在するのか?」がある。3世代の物質粒子に関する謎に対しては、オービフォールドを余剰空間として含むSO(2N)ゲージ群を有する5次元のゲージ理論に基づいて3世代の物質粒子が統一的に理解される可能性(世代の統一模型)を指摘した。また、物質粒子の間の質量の階層性や混合に関する謎に対しては、リフシッツ型のゲージ理論に基づいてフロガット・ニールセン機構に似た機構を通じて質量の階層性や混合が生成されることを見つけた。 研究計画の1つとして「余剰次元や未知の概念に基づいて宇宙の誕生・進化・構造に関する謎に挑む」を掲げた。前述のリフシッツ型のゲージ理論に基づき「高次元時空(=初期宇宙の構造)では時間と空間が異なるスケーリングを持っような時空構造をしていて、コンパクト化に伴い低エネルギーではローレンツ不変性が回復し標準模型あるいは超対称性標準模型が導出される」というシナリオを提示した。 また、一般的な超対称性模型に基づいてD項の大きさに関する上限(不等式)を導出した。D項の大きさは超対称性の破れの形態や超対称性粒子の質量などと深くかかわるため、得られた結果の応用および拡張は興味深い。
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Research Products
(10 results)