2010 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙大規模構造形成に伴う超高エネルギー物理過程の研究
Project/Area Number |
22540278
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 進 京都大学, 理学研究科, 研究員(科学研究) (80413954)
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Keywords | 宇宙線 / 宇宙大規模構造 / ガンマ線 / 銀河団 |
Research Abstract |
平成22年度は、当初想定していなかった任務として、CTA (Cherenkov Telescope Array)計画のガンマ線バースト(GRB)のサイエンスワーキンググループのリーダーを務めることとなったため、雑誌論文や学会発表もGRBに関するものが多くの割合を占めることとなった。本研究課題の主要な研究対象天体である銀河や銀河団は、GRBと比較すると相違点も多いが、一方で銀河系外天体であることと、超高エネルギー物理過程が起きる環境であることは重要な共通点であり、GRBを中心とした研究であっても、本課題にとって非常に有意義な成果が得られた。例えば、GRBにおける超高エネルギー宇宙線加速とそれに伴うハドロン放射過程の研究を進め、場合によってはX線や可視光でその兆候が現われることを示したが、類似の過程が銀河団での超高エネルギー宇宙線加速においても起きる可能性があり、現在詳細に調べているところである。また、GRB起源高エネルギーガンマ線が銀河間空間を伝播中に吸収される割合の定量的な評価、およびその際生成される二次ガンマ線の観測可能性なども調べたが、同様の過程で銀河団周囲に生じるガンマ線ハローも大変興味深く、それを利用して銀河間空間の磁場を探れる可能性なども現在調査中である。さらには、CTA計画のガンマ線検出感度や様々な性能を熟知することができたため、将来のCTAによる銀河団観測の具体的検討に向けた足がかりにもなった。
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[Journal Article] Searching for the Most Distant Gamma-Ray Blazars with the Fermi Gamma-Ray Space Telescope2011
Author(s)
Inoue, Y., Inoue, S., Kobayashi, M.K., Totani, T., Kataoka, J., Sato, R.
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Journal Title
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
Volume: 411
Pages: 464-468
Peer Reviewed
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