2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540280
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀内 昶 大阪大学, 核物理研究センター, 招聘教授 (60027349)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | クラスター・ガス的状態 / ボーズ凝縮状態 / 直線鎖構造 / 空間的に非局在 |
Research Abstract |
3αと4αの凝縮状態とその励起状態について共鳴状態としての扱いを複素スケーリング法で行う研究は継続中である。励起状態の中での特徴的構造として3α系では8Be+α構造があり、4α系では12C(Hoyle)+α構造と8Be+8Be構造がある。これらの構造は回転帯を作るが、そのBand-HeadのJ=0+状態がα凝縮状態に乱されることが予想され、これは観測可能な問題である。これらの問題の追究も更に継続されている。 3α系と4α系の特別な励起状態としては3α直線鎖と4α直線鎖の構造が重要であるが、これらの構造の研究も進捗した。3α系の場合には、Brink波動関数を生成座標法で重ね合わせた波動関数と単一のTHSR波動関数が99%もの大きな二乗Overlapを持つことが見出された。つまり、3α直線鎖構造として長年多くの研究者の関心を集め来た構造は実はαクラスターの1次元ガス状態であることが示されたのである。現在、4α直線鎖構造の場合にも同様な事実があるか否かの研究を進めている。 THSR波動関数はαクラスターのボーズ凝縮状態の研究の為に考案されたものであるが、今年度に為された驚くべき発見は、20Ne核の基底回転帯とその反転2重項の負パリティの回転帯の個々の準位のそれぞれについて、16O+αのBrink波動関数を生成座標法で重ね合わせた波動関数が単一のTHSR波動関数とほぼ100%同一であることが分かったことである。THSR波動関数においては、クラスターは空間的に非局在であるとして表現されているにも拘わらず、この波動関数は反転2重項回転帯の実験値を再現することが示された訳である。この大きな発見によって、クラスターの動力学の記述は大きな変革を受けることとなった。新しい動力学によれば、クラスター・ガス的状態が基底状態から励起される力学機構は極めて自然なものとして理解出来ることとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|