2010 Fiscal Year Annual Research Report
余剰次元に基づくカイラルフェルミオン生成の新しい機構と階層性問題の解決
Project/Area Number |
22540281
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂本 眞人 神戸大学, 理学研究科, 助教 (30183817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷村 省吾 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (90273482)
竹永 和典 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (50379294)
長澤 智明 阿南工業高等専門学校, 一般教科, 講師 (20435465)
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Keywords | 余剰次元 / ヒッグス機構 / カイラルフェルミオン / 高次元ゲージ理論 / フェルミオン質量階層性問題 / 高階微分 |
Research Abstract |
今年度は高次元ゲージ理論の観点から次の2つのテーマを取り扱った。 1.標準模型は最終的な理論とは考えられておらず、多くの問題と謎が残されたままである。例えば、1)ゲージ対称性の破れの起源となるヒッグス粒子の質量二乗はなぜ負なのか? 2)なぜフェルミオンはすべてカイラルフェルミオンなのか? 3)フェルミオン質量の間に大きな階層性があるのはなぜか?これらの問題は4次元の場の理論の枠組みでは自然な解決は難しい。そこで、余剰次元として1次元線分をもつ5次元ゲージ理論の一般的な枠組みの中で、標準模型のもつ1)~3)の性質がどのように実現されるかを考察した。驚くことに、線分を余剰次元としてもつ5次元ゲージ理論の一般的な性質として、1)~3)の性質が自然と理論の枠組みの中に組み込まれていることが明らかになった。 2.標準模型におけるヒッグス粒子はゲージ対称性の破れとフェルミオンの質量の起源となる重要な役割を担っているが、ヒッグス粒子はスカラー粒子なのでゲージ階層性問題を引き起こすことがわかっている。その解決として、高次元ゲージ・ヒッグス統一模型が提唱された。しかしながら、最も簡単な模型はヒッグス粒子の質量が軽くなりすぎて実験と矛盾することが指摘された。その問題を解決するために、余剰次元方向に高階微分項を導入した模型を我々は提唱し、その結果、軽いヒッグス粒子質量の問題が解決可能であることを明らかにした。標準模型を低エネルギー有効理論として導く5次元ゲージ理論の構築が次の課題である。
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Research Products
(1 results)