2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540282
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
園田 英徳 神戸大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20291966)
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Keywords | 繰り込み群 / 厳密繰り込み群 / 相転移 / 不動点 / ゲージ理論 / アノマリー |
Research Abstract |
1.厳密繰り込み群を使ったアノマリーの非繰り込み性の研究-ゲージ理論のゲージ・アノマリーを厳密繰り込み群(ERG)と反場形式を使って,定式化した.ERGを使ってのアノマリーの非繰り込み性を証明は,本研究の目的の一つであるが,今年度は完全な証明を得るには至らなかった.とはいえ,最終的にどういう形で非繰り込み性が表せるかについて解析した結果,非摂動的なアノマリーの形を具体的に予想することができた.最終目的に一歩近づいたといえる.本研究は,新潟大学の伊藤克美,五十嵐尤二および佐藤雅尚との共同研究である.研究成果は,Progress of Theoretical Physicsに掲載される予定である.ここで得られた予想の検証は次年度の研究テーマとなる 2.相構造の摂動的な解析-3次元の場の理論の利点は,ERGを摂動的に使うことにより,非摂動的な物理を解明できることがあることである.この研究の対象は,3次元空間で定義されるYukawa模型で,フェルミオンの数に応じて超対称性模型やO(N)不変なGross-Neveu模型と同じ不変類に属する興味深い模型である.Yukawa模型の相構造をERGを使って解析した.特にパラメターの繰り込み群の流れを摂動的に求めることにより,理論の相構造を導いた.超対称性を持つ繰り込み群の不動点があることを示した.これはemergent supersymmetryの例である.さらに当初予想していなかったことであるが,この模型には,N-vector模型と同じような1次相転移の可能性があることが分かった.この結果は,数値的な非摂動計算によって、検証するに値する.今後の課題としたい.研究結果はarXiv:1102.3974[hep-th]に論文としてまとめた.
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