2012 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡の場の理論を用いたレプトジェネシスとレプトン数の破れの研究
Project/Area Number |
22540283
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
両角 卓也 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20253049)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 素粒子論 / 国際情報交換 韓国 / 非平衡の場の理論 / レプトジェネシス / CP対称性の破れ |
Research Abstract |
宇宙の物質反物質非対称性の起源やその生成過程を明らかにするために非平衡の場の量子論を用いてレプトジェネシスやレプトン数の破れを研究した。 この目的のために、CP対称性の破れ、粒子数非保存の要素が含まれるスカラー場からなるトイモデルに基づいて研究した。具体的には、相互作用による粒子数生成と質量項による粒子数非保存の現象を粒子数密度の期待値の時間発展を計算することによって求めた。 主な研究成果として統計的な意味で粒子、反粒子非対称性を持つような密度行列が化学ポテンシャルや温度でどのようにあらわされるかを調べその表式を導出した。さらに、初期密度行列として、化学ポテンシャルの入った密度行列をとり、粒子数密度の期待値の時間発展を導出した。数値計算の結果、初期時刻に期待値として零でない粒子数密度からはじめても、粒子数非保存の質量項によって粒子数密度が減衰振動によって零に漸近し十分時間がたてば、初期粒子数、反粒子数非対称性が消えることを明らかにした。このような現象が起こるのは場の理論においては無限個のモードがあり初期値への再帰が起こらないためである。さらに初期時刻に期待値としての粒子数が零の場合も調べ、相互作用によって、粒子数反粒子数非対称性がどのように生成したり消滅するかを調べた。具体的には粒子数密度の単位時間当たりの生成率の時間依存性を研究した。 CP対称性の破れを標準模型を超える素粒子模型の観点から研究した。特に、2重ヒッグス模型のCPの破れをタウレプトンの崩壊で検証する方法を提案した。さらにタウレプトンのハドロニック崩壊の形状因子を研究し,直接的CP対称性の破れを予言した。 今後の研究の展開として宇宙膨張の効果を考慮した場合に、レプトジェネシスを研究することで、宇宙の物質、反物質非対称性の起源にせまることができる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(12 results)