2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22540291
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
前田 恵一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70199610)
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Keywords | 重力理論 / ダークエネルギー / 宇宙論 / 素粒子統一理論 / インフレーション / 超重力理論 / 超弦理論 |
Research Abstract |
本研究では、宇宙論・宇宙物理の3つの重要課題に対して、重力物瑳学の観点から解析し、その答えを探りつつ、重力理論そのものの研究にもつなげることを臼的としている。 本年度は主に、超弦理論やその有効理論である超重力理論に基づき、量子効果による曲率高次項や高階微分項の影響について考察した。この量子補正項は場の再定義の不定性があり、その不定性の元でのインフレーションモデルの可能性について解析した。その結果、従来の補正項では存在しなかった加速膨張解、特にde Sitter指数膨張解が存在しうることを示した。 一方、量子重力理論の候補として近年注目されているHorava-Lifshitz重力理論を基礎に昨年に引き続き、初期宇宙モデルとしてより一般的なBianchi IX宇宙モデルを解析した。特にその古典約ダイナミクスに注目し、非等方性がダイナミクスに与える影響を調べた。非等方性が十分小さい場合は、等方的な時空同様、バウンスする解や振動宇宙が可能である。しかしながら、非等方性が大きくなると、宇宙項がゼロまたは負の場合は、振動後にビッグクランチ特異点に進化する。宇宙項が正の場合は、多様な振る舞いを晃せ、振翻後にde Sitter膨張宇宙に進化するケースがある。特異点で終わるかde Sitter宇宙に進化するかは、初期条件に繊細に依存し、系の非可積分性を表しているものと考えられる。 また.ダークエネルギー問題に関しては、提案されている種々の重力理論を系統的に解析し、観測・実験との整合性を明らかにすることを考えているが、その作業に関しては環在進行中で、特にその過程で、bi-gravity重力理論については新しい成果を得つつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の研究実績の概要および下記の業績リストから、順調に成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は最終年度であるので、これまで幅広く~行って来た研究を目標に向かって収束させる必要がある。
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