2010 Fiscal Year Annual Research Report
多次元ニュートリノ輻射流体計算コードによる超新星爆発メカニズムの研究
Project/Area Number |
22540296
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
住吉 光介 沼津工業高等専門学校, 教養科, 教授 (30280720)
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Keywords | ニュートリノ / 輻射輸送 / 超新星 / ボルツマン方程式 / 流体力学 / 核データ / 計算科学 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
大質量星(太陽質量の10倍以上)の進化の最期におこる重力崩壊は、中心コアのバウンスを経て華々しい超新星爆発を起こすと考えられている。爆発か否かを結論づける上での最大の課題はニュートリノ輻射輸送にある。超新星の中心コアではニュートリノが本質的な役割を果たしているが、これまでの研究では、ニュートリノ輻射輸送の計算が球対称あるいは近似のもとでのみ行われてきており、爆発メカニズムを明確に捉えることができなかった。この現状を打破して、ニュートリノ輻射輸送計算を空間3次元で実行可能にすることで、爆発ダイナミクスにおける多次元ニュートリノ輻射輸送の役割を明確にして、超新星爆発の謎にせまる。 初年度は基礎コード開発とテスト問題によるコード検証を行なった。多次元における輻射輸送方程式(ボルツマン方程式)の基本的な定式化をもとに、数値計算が可能な形に差分式を整備した。それに基づいて計算コードの開発を行った。2次元(軸対称)、3次元のもとでニュートリノ反応・状態方程式を組込んだニュートリノ輻射輸送計算の基本コードを完成させた。ニュートリノ光源からの伝搬、ガウス分布の拡散などの基礎テストを行い、コードを検証した。さらに、超新星コアの多次元モデルにおけるニュートリノ輻射輸送の振舞いのテスト計算を行なった。輻射輸送方程式の定式化において、衝突項の評価をローレンツ変換により計算する部分について定式化およびテスト計算を行なって、数値手法の問題点を吟味した。また、球対称ニュートリノ輻射輸送計算により、多次元計算へ拡張するための基礎データを蓄積すると共に、ニュートリノ地上観測により高温高密度物質を探るための数値シミュレーションを進めた。
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