2012 Fiscal Year Annual Research Report
非球対称重力崩壊型超新星爆発における爆発的元素合成および爆発機構の解明
Project/Area Number |
22540297
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Research Institution | 熊本高等専門学校 |
Principal Investigator |
藤本 信一郎 熊本高等専門学校, 制御情報システム工学科, 准教授 (10342586)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 宇宙物理 / 理論天文学 / 元素合成 / 超新星爆発 |
Research Abstract |
理論・観測の両面から重力崩壊型超新星爆発における非球対称性の重要さが明らかにされている。しかしながら超新星爆発における爆発的元素合成研究の多くは球対称が仮定され、様々な不定性を内在する。本研究では、世界に先駆けて、電子陽電子捕獲反応・ニュートリノ吸収反応による電子比進化を考慮した現実的な2次元非球対称超新星爆発シミュレーションに基づいて、重力崩壊型超新星における非球対称爆発的元素合成を調査した。 本年度は、昨年度に引き続き、様々な質量および金属量の大質量星に対して放出ガスの化学組成を網羅的に調査した。爆発計算の結果に基づいて組成計算を行い、以下のことを明らかにした。(1) 放出される鉄の質量は爆発エネルギーに正の相関がある。(2) 金属量0の大質量星の超新星爆発によって放出されるガス組成を質量関数で平均した組成は,低金属量恒星の表面組成の観測値をおおむね再現する。(3) ただしK,Coの組成を再現するにはニュートリノ反応の効果が重要である。(4) また恒星質量が大きいほど爆発エネルギーが大きい場合の方が、低金属量恒星の表面組成の観測値をより良く再現する。(5) 低金属量恒星で観測される炭素過剰を再現するには、質量の軽い(15倍太陽質量以下)恒星の、低エネルギー爆発が重要である。 さらに核反応熱の効果を取り入れた超新星爆発コードを開発し、太陽と同じ金属量を持つ15倍太陽質量の恒星の超新星爆発に対する核反応熱の影響を調査し、以下のことを示した; (1) 核反応熱の影響はニュートリノ加熱よりも大きいか、同程度である。(2) 核反応熱のうち、再結合反応の寄与が燃焼反応の寄与よりも大きい。(3) 球対称爆発の場合には再現できなかった超新星1987Aの観測値(爆発エネルギーとNi56質量)を2次元の場合は再現可能である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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