2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540312
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
味村 周平 大阪大学, 核物理研究センター, 准教授 (10273575)
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Keywords | データ収集システム / MicroTCA / AMC / FlashADC |
Research Abstract |
本研究では最新の工業規格であるMicroTCAを応用し、低コストで小規模から中規模実験に対応できるデータ収集系を開発するのが目的である。フロントエンドではパイプライン読み出しにより複数事象の並行読み出しをし、バックエンドでは検出器の多チャンネル化に対応するため、point-to-pointであるシリアルデータ転送路を用いて多数のデータを並行して転送する。 最小限のMicroTCAによるデータ収集系に必要な回路要素は(1)アナログ信号をデジタルデータに変換するフロントエンドカード(2)トリガー信号をフロントエンドカードへ分配し、データ収集を制御するトリガーカード(3)データを集約し転送するリードアウトカードである。このうち(2)と(3)の機能を、MicroTCAを統括するAMCモジュール(MCH)に集約するため、2つの機能をもち、尚かつMCHに装着可能なルーターカードの開発研究を人工衛星コミュニティと共同で行い、製作は終了した。その際、MicroTCAのバックプレーン上データ転送路の使い方(転送路トポロジー)の最適化を行った。平成22年度製作したフロントエンドカードを含め、データ収集システムの構築に必要なシステム要素が全て揃った。来年度に行うデータ収集システム構築およびその性能評価に向けて、ルーターカードとフロントエンドカードのそれぞれが持つ制御プログラムの最適化を始め、来年度も引き続き行う。データ収集システムの性能評価は二重ベータ崩壊観測実験に組み込んで行う。進行中の実験を止めないよう、実際に行う方法など実験グループを議論し、了解を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ収集システムの構築は計画では平成23年度に始めている予定であったが、ルーターカードの開発に予定外の遅延が生じたため、システム構築は平成24年度ずれこんだ。制御システムのプログラム開発はルーターカード開発・製作と並行して行っており、計画全体の予定の遅延はない。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集システムの構築に必要な要素は平成22~23年度に開発・製作を終了した。平成24年度はこれら各要素を組み合わせ、実用可能なシステム構築を行う。二重ベータ崩壊観測実験に組み込んでの評価を予定しており、実験グループとの連携を密にして進める。
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