2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540313
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松多 健策 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (50181722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 光順 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (50218939)
三原 基嗣 大阪大学, 理学研究科, 助教 (60294154)
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Keywords | 磁気モーメント / 陽子ドリップライン / 核構造 / 核スピン偏極機構 / 不安定核ビーム / 核磁気共鳴 / ベータNMR / 荷電交換過程 |
Research Abstract |
理化学研究所にて、^<31>Clの磁気モーメント測定の実験課題が採択されており、ビームタイムが23年秋に決定された。22年度はこの磁気モーメント精密測定の実行に向けて、精密NMR実験のためのシステム構築を行い、必要な準備研究を、放射線医学総合研究所にて行った。真空槽、β線検出器系、NMR系(電磁石、高周波)、高速データ収集系などの準備は整った。 22年度の研究成果としては、スピン偏極した不安定原子核の生成に関する知見を大きく進展させる事が出来た事と、陽子過剰の^<24m>Alについて、磁気モーメントの精密測定に成功した事があげられる。これらは、ともに、23年度に^<31>Clの精密実験を実施する際に重要になる知見である。 スピン偏極した不安定核の生成は、これまでは、主に入射角破砕過程で行って来たが、近年、粒子のピックアップを含む反応過程で、効率よく生成できる事が分かって来たため、^<31>Clではこのテクニックを使う予定にしている。しかし、単純な粒子のピックアップではなく、粒子のはぎ取りも含む複合過程になるため、生成機構の詳細は未知である。今年度、^<22>Neビームを用いた生成率の測定で、荷電交換を含む過程では、ターゲットの中の中性子が入射角の中の陽子を単一ステップでノックアウトする過程と、粒子の移行が連続して起こる過程で、出射運動量分布に中心のシフトと幅の両方につき違いがあり、これらの区別が可能である事が初めて明らかになった。 また、この荷電交換反応で生成した、^<24m>Alの核偏極を利用してこの核の磁気モーメントの精密値を信頼性よく測定する事ができ、研究可能性を広げる事に成功した。
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Research Products
(4 results)