2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540314
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 徹 広島大学, 先端物質科学研究科, 准教授 (50253050)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 陽電子源 / 線形加速器 / 結晶 / 複合標的 |
Research Abstract |
結晶ー非結晶複合標的の性能評価のため,高エネルギー加速器研究機構において行った実験評価のための,シミュレーション研究を行った。 実験装置の大きさ,位置を正確にシミュレーション上に構築し,装置の検出効率を精度よく見積もることができるようにした。シミュレーションと実験データは,その性質のよく分かっている,通常標的による陽電子のデータを用いて規格化した。 シミュレーションの結果は,実験データをほぼ,良く再現しており,陽電子生成量の定量的な考察が可能となったと言うことができる。一方で,結晶の効果に関しては,データのシミュレーションの間に20%程度の差がある。本研究における陽電子量の評価では問題とならないが,電子線の結晶中における振る舞いの研究という観点から,課題を指摘することができたと言える。 本申請にかかる研究の期間において,1)複合標的の性能評価のための系統的データを得た。2)標的の温度測定システムを構築した。この結果から,複合標的による,陽電子生成システムの性能を評価した。その結果,複合標的は,陽電子生成に有効であるが,それを拡張して,当初の目的であった,線形加速器の陽電子源とするためには,より高効率で電子->光子への変換が可能な結晶を探索する事,冷却効率の高い陽電子生成標的の開発が重要である,という課題を見いだすことができた。 これらに加え,本研究の過程において,陽電子生成量と標的中の熱損失の関係を見直したことから,これまで不可能と考えていた,国際リニアコライダー(ILC)に於いて,通常方式による陽電子生成が可能であることを見いだした。この結果は,従来のILCの陽電子源の考え方を根本から考え直す可能性があることを意味しており,同計画にとって大きな成果であるといえる。 なお,本研究による成果は,現在公表論文として公表すべく論文執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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