2011 Fiscal Year Annual Research Report
フェルミガンマ線宇宙望遠鏡データを用いた銀河系内天体の高エネルギー放射機構の解明
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22540315
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
森 正樹 立命館大学, 理工学部, 教授 (80210136)
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Keywords | 天体ガンマ線 / X線連星 / 超新星残骸 / パルサー星雲 |
Research Abstract |
2008年6月に日米欧の協力により打ち上げられたフェルミ(Fermi)ガンマ線宇宙望遠鏡は、GeV領域天体ガンマ線の観測を継続的に行っている。本研究では、2009年9月から解析ソフトウェアとともに公開されているFermi衛星LAT検出器の観測データを用いて、高エネルギー天体のうち、X線連星・超新星残骸・パルサー星雲など、銀河系内高エネルギー天体に着目して解析を行うとともに、電波からX線、及びTeVガンマ線に至る観測データを総合し、ガンマ線を生成する放射メカニズムの解明を目指し、粒子が高エネルギーまで加速される条件と環境を探る。 X線連星・超新星残骸・パルサー星雲をリストアップし、Fermi衛星LAT検出器の公開データを天体ごとに取得し、解析ツールを利用してガンマ線信号を解析し、広域放射エネルギー分布(SED)を作成し、理論モデル計算と比較し、加速粒子や加速環境などについての情報を得て、天体における粒子加速の条件や環境を統計的に明らかにしていく。 平成23年度は大学院生などの協力も得て、マイクロクエーサーや超新星残骸、パルサー、ガンマ線バースト、活動銀河核、超大光度X線源などについて解析を行った。特に、本年度の研究の主題としたパルサー星雲については、PSR1259-63/SS2883に対し2010年12月の近星点通過後に有意なガンマ線信号をとらえることができた。また、超新星1987Aからのガンマ線信号を探索し、爆発後12~14年後の高エネルギー放射について制限を与えるなどの結果を得た。これらを含むいくつかの結果については、日本物理学会と日本天文学会の年次大会、および2011年のFermi Symposiumと宇宙線国際会議で発表し、一部は論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
銀河系内天体のガンマ線放射天体についての解析は新発見を含め着実に進展している。これを個別的ではなく統計的に議論できるようにする、という当初の目的についてはさらに研究を進める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
ガンマ線衛星の観測データが蓄積されるにつれ、その量は増加の一途をたどっており、多数の天体についての解析を施すには強力な計算機の能力が必要になってきている。共同利用研究所の計算機の使用なども含め、計算処理能力の増強を考える必要が生じてきている。
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Research Products
(13 results)