2012 Fiscal Year Annual Research Report
発光とラマン散乱による半導体ナノ粒子-金属局在型表面プラズモン間相互作用の解明
Project/Area Number |
22540330
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 愛士 広島工業大学, 工学部, 教授 (10261546)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 半導体ナノ粒子 / 金属ナノ薄膜 / 局在型表面プラズモン / 発光 / ラマン散乱 |
Research Abstract |
金属ナノ構造物質中に生成される局在型表面プラズモン(LSP)は、周囲の電場を大きく変化させるため、近接した物質の発光やラマン散乱などの光学特性を大きく変化させる。一方、半導体ナノ粒子は、量子サイズ効果により、ナノ粒子サイズを変えるだけで発光波長が変化するため、波長可変の発光材料として注目されている。半導体ナノ粒子を金属ナノ構造物質に近接させることで、光学特性のさらなる向上が期待される。そこで、LSPが半導体ナノ粒子の光学特性にどのような影響を及ぼすかを明らかにするために研究を行った。具体的には、金属ナノ薄膜/スペーサー/半導体ナノ粒子単層膜の3層構造試料を作製し、発光とラマン散乱強度のスペーサー層厚依存性を系統的に調べた後、励起波長依存性および励起スペクトルも測定し、その相互作用を詳細に検討した。その結果、発光強度は、LSPによる電磁場増強効果とエネルギー移動効果の競合で決定され、発光強度がより増大する条件があることを見出した。しかし、発光強度が最大となるスペーサー層厚は、従来の双極子による発光のモデルと比較して、大きくなることが明らかとなった。これは、半導体ナノ粒子を空間的な広がりのない双極子として近似することが破たんしたためであると考察した。一方、ラマン散乱強度は、スペーサー層厚を薄くするとその増強度が減少することを見出した。この結果は、金属ナノ薄膜のLSPの遅延効果などが関与しているのではないかと考察した。さらに、半導体ナノ粒子としてCdSe/ZnSコアシェル型ナノ粒子を用いたが、CdSeのLOフォノンに起因するラマン散乱ピーク以外にもう一本ピークが現れ、両者ともに増強効果が観測された。CdSeコアのみのナノ粒子のラマン散乱スペクトルと比較した結果、このピークがコアシェル界面に存在するCd-Sボンドに由来する振動モードであると結論づけた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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