2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540339
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
左右田 龍太郎 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (00354407)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 表面・界面 / 薄膜 / ガラス転移 |
Research Abstract |
薄膜を薄くするとその物性は著しく変化する。これはナノ束縛効果と呼ばれ、自由表面の存在や基板との相互作用による影響であると考えられる。実際に薄膜のガラス転移現象に表面および界面がどのような影響を及ぼしているのかを飛行時間二次イオン質量分析法および昇温脱離法を用いて原子・分子レベルで明らかにした。 グラファイトは室温の水に対しては強い疎水性であるにもかかわらず低温では水分子との親和性が高いことが見出された。その理由として、界面で水分子のOH基がグラファイト基板に配向し、特殊な結合状態が生じているためであることを明らかにした。低温における水の特殊な構造はポリアモルフィズムと関係している可能性が考えられる。 ナノ束縛効果における基板表面との相互作用の影響を検証するため、ニッケル、グラファイト、パーフルオロカーボン薄膜表面上におけるハイドロカーボン(トルエン、n-ペンタン、3-メチルペンタン、1-ペンテン)薄膜の濡れ性と表面拡散を調べた。その結果、表面エネルギーの小さいパーフルオロカーボン薄膜上で、膜厚が4-5分子層以下の場合にバルクのガラス転移温度以下で分子の流動性が確認された。これがガラス転移により分子が協力的に動く領域、あるいは基板との相互作用により分子運動が制限されて束縛が起こっている範囲であると考えられる。 また、ポリマー(ポリエチレンオキサイド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン)の表面にイオン液体分子を吸着させ、吸着子が薄膜内に取り込まれる過程を観察した結果、ガラス転移温度以下の温度でポリマー薄膜表面に液体層が形成されていることを明らかにした。このような液体層の存在により薄膜のガラス転移温度の減少が期待されるが、実際には上述した基板との相互作用による膠着層の存在により薄膜の流動性が妨げられているものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article]2012
Author(s)
Jobin Cyriac, T. Pradeep, H. Kang, R. Souda, and R. G. Cooks
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Journal Title
Chemical Reviews
Volume: Vol. 112, No.10
Pages: 5356-5411
DOI
Peer Reviewed
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