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2011 Fiscal Year Annual Research Report

エックス線発光分光における非局所遷移過程の研究

Research Project

Project/Area Number 22540344
Research InstitutionJapan Synchrotron Radiation Research Institute

Principal Investigator

水牧 仁一朗  財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 副主幹研究員 (60360830)

KeywordsX線発光分光 / 非局所遷移過程 / 高温超伝導体
Research Abstract

去年度までに測定に成功した高温超伝導体La2CuO4のCu-K吸収端での非局所双極子(ED)遷移のスペクトルの理解の深化のために、今年度は、非局所ED遷移に伴うRXES過程での非局所遮蔽効果のCu周りの配位子による変化を検討することとした。Cu周りの配位子が異なるもの(対象はKCuF_3とK_2CuF_4)でLa_2CuO_4と同様の結晶構造を持ち、Cu周りの局所的対称性が同様のものを測定し、Cu周りの配位子による変化つまり電荷移動エネルギーの違いによるRXESスペクトルの変化を測定し、非局所ED遷移に伴うRXES過程での非局所遮蔽効果の違いを観測した。今年度はこのKCuF3のCu-K吸収端近傍のCu-Kα線のスペクトルの取得に成功した。予想通りに非局所遮蔽効果に違いが見られた。また、特筆すべきは、偏光依存性が非常に大きくでたことである。
これらの結果は、非局所遮蔽効果が、配位子の変化つまり電荷移動エネルギーの違いに強く依存していることを示している。また、偏光依存性は、Cuの3d電子軌道分布が非常に異方的になっていることを示唆していおり、配位子がフッ素の時と酸素の時で大きく異なっている。これは、軌道秩序と強く相関しており、磁気構造とは関係がないことが、分かった。
また、非局所遷移のスペクトルの形は、偏光だけでなく、光の波数ベクトルと結晶軸に対する角度を変化させることでも、大きく変化した。これについては、より多くの実験例を積み重ねることにより、その起源を解明する必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画通りに実験を進めることができ、非局所遷移スペクトルを得ているから。

Strategy for Future Research Activity

計画の変更はないが、非局所遷移スペクトルの磁気円二色性をとるために、磁場中の実験を行う予定である。

URL: 

Published: 2013-06-26  

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