2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540344
|
Research Institution | 公益財団法人高輝度光科学研究センター |
Principal Investigator |
水牧 仁一朗 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 副主幹研究員 (60360830)
|
Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
|
Keywords | X線発光分光 / 非局所遷移過程 / 高温超伝導体 |
Research Abstract |
去年度までに測定に成功したKCuF3のCu―K吸収端での非局所双極子(ED)遷移のスペクトルの理解のさらなる深化のために、今年度は、非局所ED遷移に伴うRXES過程での非局所遮蔽効果のCuの価数変化を検討することとした。Cuの価数をLa2CuO4のLaの一部をSrにて置換し、Cuの価数が2価からずれた系を測定し、Cu周りの配位子による変化つまり電荷移動エネルギーの違いによるRXESスペクトルの変化を測定し、非局所ED遷移に伴うRXES過程での非局所遮蔽効果の違いを観測した。(LaSr)2CuO4のCu―K吸収端近傍のCu―Kα線のスペクトルの取得に成功した。予想通りに非局所遮蔽効果に違いが見られた。また、特筆すべきは、偏光依存性が非常に大きくでたことである。 これらの結果は、非局所遮蔽効果が、Cuの価数の変化やCuの価数の違いによる電荷移動エネルギーの違いに強く依存していることを示している。また、偏光依存性は、Cuの3d電子軌道分布が非常に異方的になっていることを示唆していた。 また、非局所遷移のスペクトルの形は、偏光だけでなく、光の波数ベクトルと結晶軸に対する角度を変化させることでも、大きく変化した。これについては、より多くの実験例を積み重ねることにより、その起源を解明する必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|