2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540347
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三田村 裕幸 東京大学, 物性研究所, 助教 (60282604)
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Keywords | パルス強磁場 / 磁性 / マルチフェロイック / 磁歪 / 超音波 / スピンフラストレーション |
Research Abstract |
ジグザク鎖反強磁性体MnWO_4はinverse Dzyaloshinskii-Moriya型と思われる磁性由来の強誘電性を示す。磁化容易軸(x軸)に磁場を加えると強誘電相が中間相を挟んで2つ現れるが、2つの相の分極は常に逆向きを示し、一方の状態は他方の状態と密接に関係している。他の磁場方向に関する情報も含め高磁場側の系の振る舞いについてはこれまで調べられていなかった。 本年度はMnWO_4の単結晶試料のy軸、z軸の各方向に磁場を加えた場合について各温度で磁化と誘電分極の測定を行ない、各磁場方向に関する暫定の磁気相図を作製した。これによりB||x軸とB||y軸の相図の類似性が明らかになった。特にB||y軸については磁場により分極の向きがb軸からa軸にスイッチする現象が報告されていていたが、この磁場誘起の強誘電相が低温高磁場まで存在しておりB||x軸において分極の逆転する部分と領域が良く似ていることが判った。 さらに両方の相図の間を埋めるためにx軸とy軸の中間方向に磁場を加えた相図を作成したところ、やはり磁場誘起による強誘電相が見つかった。これによりB||x軸で見られた高磁場の分極逆転相とB||y軸でみられた高磁場の分極スイッチ相が連続的に繋がっている可能性が強くなってきた。これによりこれまで別々に考えていた磁場誘起の強誘電相が実は同じ起源であることが判った。またB||x軸でみられた分極の逆転はクロスオーバーではなく相転移である可能性も高まった。更に、磁場の回転に対し高磁場では分極の向きが回転するのに対し低磁場磁場では分極が回転しないのはなぜかという疑問が新たに生まれ今後の課題が生じた。
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Research Products
(5 results)